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「しかし、私は.......」
「言うことを聞きなさい。お前がこの場にいることは俺にとって目障りだ」
そう言った瞬間、先生は ハッとしたように後ろを振り返る。
しかしもう遅かった。私の中で何かが外れてしまったのだ。
内から溢れ出てくる感情と言葉は止められない。
「私だって、好きであんたの元にいるわけじゃない！」
そう叫んだ瞬間、会場内は一瞬で静かになる。
私はキッと先生を睨むとくるりと後ろを振り返り、その場を走り出していた。
「.......A！」
叫ぶあの人の声を私は無視する。
今までなら笑顔で振り返っていたのだけれども、今はその声さえも聞きたくない。
なにが、めざわり、だ。
初めから、やっぱり先生は私を利用していたのだろうか。
咸陽で出会ったあの頃から。
それならば、私に舞の稽古をさせていたことも辻褄が合う。
不要になった私をどうせ、後宮やどっかの金持ちの所へ売ろうという魂胆だろう。
最悪だ。見損なった。
育ててきてもらった恩は感じるけど、私が育ててもらえたのもすべてあの人の計画通りならば.......
今まで信じてきたあの人の微笑みはなんだったのだろう。
いっそ、楚か燕にでも亡命してやろうか。
いつの間にか宮中で最も高く見晴らしのいい場所へと来ていた。
私は美しい咸陽の街一帯をぐるりと見渡すとため息をついた。
それと同時に グゥ、とお腹が鳴る。
「お腹がすいているみたいですね。良ければどうぞ」
後ろから聞こえてきた低いトーンの優しい声に私は慌てて後ろを振り向いた。
そこには、ニコニコと笑みを浮かべた李牧の姿があり、咄嗟に私は後ろへと仰け反る。
「おま.......いや、李牧殿。せっかくの心遣い有難いのですが、お断り.......」
そう言っている最中に、またもや私のお腹はグゥゥ、と呻くように鳴った。
「王騎将軍を目の前で私に殺されたあなたの気持ちはもっともですが、腹がすいてはなんとやらです」
「.......。」
無言で 食欲と感情とを脳内で戦わせる私の様子を見て李牧はフッと笑った。
「この
李牧はバスケットの中からひとつの包子を手に取り、パクリと一口食べた。
あ、ダメだ。
いい匂いがあたりに漂って、私の理性は効かなくなる。
毒が入っている可能性もあると危惧していたが、見ている限りその心配は無さそうだ。
「じ、じゃあ、一つだけ」
「ええ、どうぞ」
李牧は相変わらずニコリと笑った。
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涼(プロフ) - 優さん» 山の民も函谷関ですかね笑当初の予定では、普通に李牧と昌平君の間で取り合いになる話を書こうと思ってたんですよ！いまや、こんなスケールが大きくなってしまいましたが.......。どうぞ、今後の展開をお楽しみください！ (2019年7月26日 22時) (
レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 優さん» 初めまして、コメントありがとうございます！いえいえ、神だなんて、恐れ多いです（汗）でも、私のこんな作品で昌平君を好きになってもらえたら、本望というか、ただただ嬉しい限りです！！私も李牧とバジオウ好きですよ！李牧は函谷関の方で再び出てきてもらう予定です (2019年7月26日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
優 - 恋愛に発展していけばいいんだけどなぁ…←欲張りすぎだ涼様に盛るんじゃねぇ馬鹿やろォ (2019年7月26日 3時) (レス) id: f244368910 (このIDを非表示/違反報告)
優 - あの…神過ぎませんか？私バジオウとりぼくが好きだったんですけどこの神作品を見せていただいて昌平君が大好きになりました。なんか取り合いされたいなーとか思っちゃってるんですよｗｗもう毎日読んでます。面白すぎです。がんばってください (2019年7月26日 3時) (レス) id: f244368910 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - kikoさん» お！kikoさん、こんにちは！そうなんですよ笑なので、私もすごい自己満で作ってます笑 蒙恬推しですか！かっこいいし頼りになって私も好きです、推せます！（語彙力が笑）了解です！私もまた行かせてもらいますね！ (2019年7月22日 13時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼 | 作成日時：2019年7月7日 18時
