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路地裏へと連れ込まれると、すぐさま男は私を盗賊集団の溜まり場のようなところへ私を連れて行った。

手は後ろできつく縛られていて、口は 叫ばないよう布で縛られる。

こういう時はどうすればいいのだろう。
このような体験をしたことがないから分からない。

何しろ、今までに誘拐などされたことがないのだから。

改めて、私が今まで先生や恬たちに守られていたことが分かる。

それに、今までは男の格好をしていたから、誘拐されるなど、そんな間抜けなことはなかった。

「で、その金髪女か。秦の宝石、とやら言うのは」

盗賊団の長のような男がドシドシとこちらへ近づいてくるのが分かる。

ハッキリとは見えない男の顔を私は必死に睨みつけた。

男は私の目の前まで来るとその場にしゃがむ。

顔には痛々しい切り傷がいくつかついていて、目つきは信以上に悪い。

男は私の顔を舐めまわすように見ると、ふーん、と唸ると私の口に巻かれていた布を外した。

「嬢ちゃん、不運だったな。周りにいた男二人は囮に引っかかっちまってよ」

「最初から私を狙っていたのか?」

「そりゃ、もちろん」

ククク、と不気味に笑う男に私は唇を噛み締めた。
最悪だ。今日は、どうしてこうも悪いことばかり起こるんだろう。

「おい、やめろ。唇に傷がつく。もうお前は大切な商品なのだからな」

「私を売るのか?」

私の問いに男はニヤリと笑う。

「ああ。ただ市場に売っても何にもならねぇ。そうだな.......金持ちの趣味のわりぃ男にでも売られるか、後宮に売られるか、どっちがいい?」

「バカだな」

「誰に口聞いてんだ、てめぇ」

右頬に衝撃が飛ぶ。

一瞬、何が起こったのか分からなかったが、遅れて痛み出す右頬から、殴られたのだと理解できた。

こんな痛み、戦場で死んでいった者に比べれば屁でもない。

「私はお前らの大切な商品ではないのか?殴ると頬に傷がつくぞ」

私は嫌味に笑い返すと、さっきの間に解いた手の縄を地面に放り投げた。

「き、貴様ッ!!」

私は目の前にいた男を近くにあった木の棒で殴りつけ、その場を猛ダッシュで逃げた。

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(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月14日 20時

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