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それからはもう必死だった。

もう何本もの矢を打った。

気がつけば、私の指は擦り切れて流血していた。
100人ほどいた騎馬兵も半分ほどになっていた。

それにも関わらず、敵はだんだん強さを増してくる。

もうダメだ。

そう思った時、趙の騎馬兵が弓を構え、着々と狙いを定めているのが視界の端に移る。

その先にいるのは王騎将軍と龐煖だった。

.......あいつは王騎将軍を狙っているのかもしれない。

私は慌ててそいつに向かって弓を構えた。
こちらが先に撃たねば、王騎将軍はやられる。

「あぁっ!!」

手遅れだった。

そいつが放った矢は王騎将軍の背中に刺さり、その一瞬の隙を龐煖が貫いた。

咄嗟のことに私はもっていた矢を落とす。

終わった。
わたしは王騎将軍を守れなかったのだ。


「ざけんな、てめぇ!!!」

そんな時、信が涙を流しながら、そいつを切り倒した。

私はハッとする。
そうだ、まだ終わっていない。

「信!!早く王騎将軍の元へ行け!」

「分かってらぁ!」

こちら側の士気が下がる前に何とかしなければならない。

私は無我夢中で王騎将軍の元へと駆け寄った。

その場にいた王騎軍の兵士たちはその場に武器を捨てただ呆然としている。

「クハハハハ、武器を捨ておったぞ。さぁ終わりだ!秦兵を皆殺しに.......」

「お待ちなさい!」

心臓を貫かれた王騎将軍は敵に対抗して声をはりあげる。

「勝手に負けを押し付けられては心外ですねぇ。我が配下たちにも怒りを覚えます。武器を落とすとは何事ですか? たとえ何が起ころうとも、死んでも諦めないことが王騎軍の誇りだったはずですよ!」

その声にその場にいた王騎軍の兵士たちは士気を取り戻し、武器を手にまた戦い始める。

「み、見苦しいぞ、王騎。もはや貴様ら全員の死は明白だろうが!この死に損ないが!!.......うがっ!!」

ただただ、うるさい。

私は先程からガミガミと言っている趙兵の男の頭を矢で射抜く。

私の姿を見た王騎将軍はフッと笑うと言葉を続けた。

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(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月14日 20時

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