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「で、相談とはなんだ?」
「あ、.......うん」
河了貂は小さな声で曖昧な反応を返す。
先程の部屋から立ち去り、私と河了貂は自室までの長い道のりをとぼとぼと歩く。
「腹でも下したのか?」
「ち、ちがうよ!!」
人の心配も他所に河了貂はぷりぷりと怒った。
なんと言っても、今の河了貂はテンションが以上に低かったのだ。
誰だって心配になる。
怒っている様子を見た限り、そこまで心配することではない気もするが.......。
「あ、あのさ、羋熊Aって女だろ?」
「へ?」
決心を括ったように口を開く彼女の言葉に、当たり前すぎて驚き呆れた。
私の様子に気がついた河了貂は慌てて、変な意味じゃない、と訂正する。
「び、羋熊Aのように、女が男に混じって活躍するなんて、並大抵の事じゃない。でも、オレもそうなりたいんだ。どうやったらそうなれるんだ?」
あの時と同じだ。
推薦状の事について私が尋ねた時と河了貂は同じ目をしていた。
「じゃあ、聞くが、河了貂は.......」
「貂でいい」
「じゃあ、貂は.......」
私はコホンと咳払いをして、続ける。
「どうして軍師になりたいと思ったんだ?」
私の問いかけに貂は少し悩んだような顔を見せたが、すぐに答えてくれた。
「オレ、守りたいヤツがいるんだ。ソイツは馬鹿でアホで、だらしないヤツだけど、オレにとっては大切なやつなんだ。だから、ソイツを助けるために軍師になりたい」
真剣そのもの の貂に私はフッと笑を零した。
きっと、『ソイツ』とは、信という名の少年だろう。
「それだけ言えたら上出来だ」
「どういうことだよ、羋熊A?」
「私も、Aでいい」
スタスタと先を歩く私に貂は声をはりあげながら追いかけてくる。
「.......私も守りたい人がいるからここまで来れた。だから、貂もまずはこの学校で頑張れ」
うん、と大きな声で返事をする貂に私は頬を緩めた。
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涼(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼 | 作成日時:2019年6月14日 20時