検索窓
今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:210,295 hit

*12 ページ13

ここ中華で生き残るには何よりも情報が大切だった。

私が外交官として各国に羽ばたくのも、秦国の軍総司令である先生のために情報を集めるためでもあった。

「毎度、Aには助けられる。礼を言うぞ」

「いえ、当然のことですから」

私は先生にニコリと笑いかけた。

「しかし、無理はしておらぬのだろうな?Aは常に顔色が悪く見える」

そういうなり、先生は真剣な顔をして、左手を自身の額に、右手を私の額へと当てる。

その様子に私は内心ドキドキしながら、うわずった声で、大丈夫ですから、と声をかけた。

こういう時の先生は少し過保護な父親のように見えるので面白いが、私の心臓にはかなり悪い。

そもそも、私はきっと秦の人たちとは人種が違う。私の肌が他の人よりも白いのは生まれつきなのに。


「ところで、Aに客人のようだが.......」

「え?」

扉の方を凝視する先生につられ、私も扉の方へと目をやった。

うっすらとできた隙間から覗いていた彼女とばっちり目が合う。

「か、河了貂!?」

私は慌てて扉の方へと近づき、勢いよく扉を開けた。

扉はギギィと派手な音を立てて全開になる。

「ごめん、どうしても相談したいことがあって。蒙毅から聞いたけど、羋熊Aは三日後には燕に戻るんだろ?」

少し萎縮する河了貂の頭にポンポンと手を置きながら、私は安堵のため息をついた。

*番外編:昌平君の本名について→←*11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
234人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年6月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。