1P.春休み(1) ページ3
少しずつ暖かくなってきた今日この頃。
今日も朝から海常バスケ部は練習している。
私はバスケ部になんて入るつもり無かった。
人と関わらず静かに過ごすつもりだった。
だが
兄であるゆきから、
『バスケ部一緒入るぞ』
と言われたのは今からちょうど2年前だろう。
ゆきが行くからという理由で海常に入学し
人が苦手であるのを誤魔化すために
伊達だがメガネを付けるようになった。
最初は落ち着かなかったがこれが無いと
人と喋れなかったりする←
なんて一人で今までを振り返っていると
一時休憩にしたのかゆきが立っていた。
ゆ「大丈夫か?」
あ「うん、大丈夫。
ゆきこそ大丈夫?
はい、タオルとドリンク」
と笑顔で渡し、しごとだ。とおもった。
ゆ「さんきゅ」
…みんなにも配ってこなきゃ。
メガネをつけないまま向かったのは
一つ年下の中村真也のところだ。
し「あ、A。」
あ「真くん、お疲れ様。
はい、タオルとドリンク」
笑顔で真くんに労いをかける。
真くんは私が、兄以外でメガネをつけないまま
話せるごく一部の人間だ。
というのも幼い頃からずっといるから
というのが理由だ。
し「ありがと、大変だろ
俺も配るよ」
なんて、心配症なんだ(笑)
もちろん断ろうとしたが半分取られて
配り始めたので仕方無く
取られていない方を配りに行く。
次に向かったのは
森山さんと小堀さん、早川さんのところだ。
まだ兄と関わりのある人達なので
少し話しやすかったりする。
も「おお!Aちゃん!!」
こ「あ、仕事?お疲れ様」
は「おつか(れ)さまですっ!」
森山さんはわたしと話したいのか
あるはずのない尻尾が
ブンブン振られている様にまで見える(笑)
あ「ありがとう、みんなもお疲れ様。」
そう苦笑い気味に三人に返し
タオルとドリンクを渡す。
そして次の人からは眼鏡をかけ、
応対していく。そして驚異のスピードで
仕事を終わらせた。
帰ってくるとこっちを見て微笑むゆきがいた。
おつかれ、そういい頭をポンポンしてくれた。
ストレスも嫌だと思ったことも
これでだいたい解消される。
単純なんだけど、それだけで幸せだった。
そしてゆきと私と私の手伝いが終わり、
戻ってきた真くんと休憩時間いっぱい話した。
そして、練習に戻り今日も午前いっぱいまで
みんな、頑張るのだった。
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作者名:こんがり狐色 | 作成日時:2014年12月13日 23時