異世界転生のお決まりの展開で、なぜか審神者になっちゃった話。 (ページ6)

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審神者3 ページ6

こんのすけ「ですから、審神者になりたくないというなら、この次元で永遠にさまようことになりますが、よろしいですか?と申し上げたのです。」

水瀬ひなこ「……なにそれ、脅し?」

思わずにらみつけると、こんのすけは痛くも痒くもないという様で、高慢知己に私を見上げていった。

こんのすけ「そうです。脅しです。」

こんのすけ「我々にはもう余裕がない。一刻も早く、時間遡行軍を殲滅する人員がほしいのです。水瀬ひなこ様が審神者になることを了承し、協力してくれないのであれば、ワタクシはあなたをここに永遠に閉じ込めるしかございません。……ここにいる間、あなたはどうあがいても死ねません。餓死することも、身を傷つけて死ぬことも。ただひたすら、孤独に苦しみ続けるのです。それでもよろしいなら、どうぞお好きに。」

死ねない…?
ここに永遠に一人で…?
何もない、ただ真っ白な空間を見渡して、背筋が凍った。

できることなら、この狐の皮を剥いでやりたい。でもそんなことをしたら、私がどうなるかわからない。
私にとって、この状況から抜け出すことができる鍵は、この狐だけなのだと理解したとき、悔しくて、涙が出た。

水瀬ひなこ「……わかった。その審神者とやらをやればいいんでしょ?」

精一杯狐をにらみつけると、こんのすけは満足そうに、先程の冷たい空気を取り払ってほがらかに笑った。

こんのすけ「そうですか、引き受けてくださいますか！それはよかった! ご安心ください。審神者様のサポートはこのワタクシが全力でさせて頂きますからね!」

その変わりように、拍子抜けしてしまう。
　
なんだろう、この狐…。

唖然とする私に目もくれず、こんのすけは首元にある大ぶりの鈴をガランと鳴らした。

その瞬間、あの校門の前で吹き抜けたような、暖かい風が、私を包んだ。
水面のような地面が薄れていき、強い光が私の視野を奪う。

ふわりと、お花の良い香りがした、その瞬間。気づけば私は眠りに落ちてしまっていた______。
　