異世界転生のお決まりの展開で、なぜか審神者になっちゃった話。 (ページ5)

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審神者2 ページ5

こんのすけの説明によると。

審神者というのは、時間遡行軍という、歴史。改変をもくろむ化け物を討伐し、歴史を守るため、刀を人に打ち直し、戦わせる力をもった者のこと。
私がどうしていきなりここに連行されたかというと、私に審神者としての力があると判断されたからだという。
ついでにいうと、歴史の成績がよく、審神者としての教育が楽で、すぐ実践に移れるから、都合がよかったと…。
それでここは、私がいた世界と、本丸の間に存在する、隙間的次元なのだという。
　
こんのすけ「現在、時の政府はかなりの人手不足でございまして、審神者様の数も足りないのでございます。詳しくは、もう少し後で説明することになりますが…。」

水瀬ひなこ「でも、私、刀を人に打ち直すなんて力、ないよ。それに戦うって…。」

こんのすけ「いいえ、水瀬ひなこ様には確かに審神者としての力がございます。幼少期にはもう既に、審神者としての候補に選ばれておりました。そして、その力が、ご親友とお別れになったあの時に、さらに開花したため、決定されたのでございます。」

“ご親友”と言われ、ハッとした。
千早はどうなったんだろう。
　
水瀬ひなこ「それで、私はどうなるの?元の世界にちゃんと戻れるんだよね?その審神者っていうのをしてれば、いつか戻れたりするんでしょ?」

こんのすけ「いいえ、残念ながらもう水瀬ひなこ様があちらの世界に戻ることはできません。」

水瀬ひなこ「え……」

頭が一瞬で真っ白になった。
そんな中、両親や、千早の笑った顔が脳裏をちらついた。

水瀬ひなこ「じゃあ、もう二度と、お母さんやお父さんと…千早と会えないってこと?」

声が無意識に震える。私は祈るような気持ちで見つめた。
こんのすけは、少しうつむきながらも、淡々と言った。

こんのすけ「左様でございます。」

なにか強い物で殴られたような衝撃が走った。
体から力がぬけて、横たわりそうになるも、なんとか片手で身を支える。
　
ショックでしばらく動けなくなるが、水面のように揺れる地面をみてるうちに、だんだんと怒りが湧いてきた。

水瀬ひなこ「なにそれ…! さっきから、なんだか勝手じゃない?いきなりここに連れ出されて、審神者になれだなんて! もう戻れないなんて！！
いや！私、絶対審神者になんてならないから!」
　
こんのすけ「では、この次元で永遠にさまよいますか?」

主人公「え。」

ひとしきり叫んだ私に返ってきたのは、酷く冷たいものだった。