異世界転生のお決まりの展開で、なぜか審神者になっちゃった話。 (ページ16)

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人一年生5 ページ16

水瀬ひなこ「お味噌汁はね、あっつあつだから、食べる前にフーフーして食べるといいよ。」

加州「あ、ほんとだ。すごく食べやすくなった。主、やっぱりすごいや。」

水瀬ひなこ「うへへ…。そんなことないよ〜。」

そんなこんなで、食事中は加州に褒められっぱなしで、私はずっと上機嫌なまま、記念すべき初めての夕食を終えたのだった。

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水瀬ひなこ「えっと、次は…お風呂か。」
　
食事を終え、後片付けを終えた私たちは、昼間こんのすけに案内された、本丸内の大浴場に向かった。

なんとこの本丸、広ーい温泉があるのだ!
3つもの大きな内湯に、露天風呂が一つ、200人近い人が同時にはいったって問題ないぐらいの洗い場が設備されており、まるで高級旅館のようだ。

しかもしかも、この温泉、24時間湯が自動で循環しているのだという。

急に入りたい!なんてときも完璧に対応してくれる。

(なんて便利なの!)

私はワクワクしながら、こんのすけが用意してくれた着替え一式をもって、加州とのれんをくぐった。

加州「沖田くんは体を洗うとき、いつも井戸にいってたけど、本当にここでいいの?」

水瀬ひなこ「うん。ここで大丈夫。加州が刀だった頃は、一般市民がお風呂に入ることはすくなかったみたいだけど、今は違うの。ここで服を脱いで、体を洗ったあとゆっくりお湯につかってのんびりする。気持ちいいよ〜。」

私は温泉に浸かる想像をして、ワクワクしながら言った。
　
加州「ふーん…」

加州は何か考えている様子で服を脱ぎ始める。

ストールを外し、黒のジャケットを脱いだ。
プチプチとベストや白シャツのボタンを外して、胸元の肌が少しずつあらわになっていく。
　
そこで私はじーっと凝視していたことに気づき、ハッとした。

(そうだ、私、初めてあったばかりの人と一緒にお風呂入らなきゃいけないんだ…)

ここまでくる間は不思議と加州のことをそこまで意識していなかった。
人間としてはこちらが先輩なわけだし、相手は元刀だし…。

でもなぜか、服を脱ぎ始めて急に状況が現実味を帯び始めてきた。

(いやいや、意識しちゃだめだ。こういう緊張は無意識に相手に伝わる。私以外教えれる人いないし、今更どうにもならないんだから…。)

　
私は加州を飼いたての黒ねこだと思うことにし、心を必死に落ち着けた。