道明寺財閥の次女

＊ ページ8

「西門さーん！一緒に飲みましょう！」
「ね？良いでしょ！」
西門「他を当たってくれないか？」


寄ってくる女達を冷たく追い払う西門。
いつもなら誘いに乗って行くはずなのに。
それも愛ゆえなのだろうか。

女達がつまらなそうな顔をして去っていくと、西門の隣で静かにお酒を口にしてたAが言う。


『やっぱり総ちゃんはモテるね』
西門「そうでもないよ」
『許嫁とか...もう決まったのかな』
西門「決まってないよ」
『そう...か』


付き合ったとしても結ばれない事はお互いに理解していた。
それに、もしも司が牧野と結婚するために道明寺を出ていくとなればAは婿取りをしなくてはいけなくなる。


それ以前に母は決して許さないだろう。
どんな手を使ってでも。


湿気た雰囲気の中、Aはゆっくり西門の手に優しく触れた。
すると西門は驚いた顔でAを見る。


『私も決まってないの。半分、司のお陰だけど』
西門「好きだ!!!!!!」
『え...？』
「「！」」


会場の端から隅まで聞こえるくらいの声で告白をした西門。
司達や牧野も一瞬時間が止まったかのように感じた。


花沢「大胆だね」
美作「ついに...！」


幼少期からの片思いに幕を閉じようと、西門が勇気を出した。
3年間、Aを失った分。
後悔しないようにと。

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