元彼が言い寄ってくる件 (ページ8)

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その優しさにページ8

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ニキへの苛立ちを何とか抑えて、私は仕事に戻った

「はぁ、」

ジョンウォン「Aさん。はい、これ」

「えっ、いいんですか？」

ジョンウォンさんから渡されたのは
缶のカフェオレだった

ジョンウォン「うん、いいよ。何だかさっきから
表情暗くて仕事も捗ってないみたいだから」

「...すみません、ありがとうございます」

ジョンウォン「無理せず、頑張って」

ニコッとエクボを浮かばせて微笑むジョンウォンさん
きっと、この優しい笑顔にやられた女性は
星の数ほど居るんだろうな。

私は早速カフェオレを一口、飲んで
またデスクと向かい合った

ミンジ「みんなお疲れ様。帰っていいよ」

「お疲れ様です」

ジョンウォン「お疲れ様ー」

ニキ「お疲れ様です」

私はそれだけ交わすとすぐさまバッグを持って
逃げるように、会社を出た
一刻も早くニキが居る空間から逃げ出したくて。

ジョンウォン「Aさん！」

「...どうしました？」

ジョンウォン「今日、本当に大丈夫？何かあった？」

「何でもないですよ。ただ少し寝不足で」

ジョンウォン「...そっか。今日はちゃんと寝てね」

「ありがとうございます。では」

なんて、優しいんだろう。でも私は
その優しさを拒んでしまった

自分の弱さに呆れて私はまた泣きそうになってしまった

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