落とし物 ページ6
面談は順調に進んでいた
今はキルアが面談に行ってしまったので
一人図書室で入室退室の作法が書いてある本を読んでいた
やっぱりこういう場ではキチンとした態度の方がいいのかな？
でもハンター試験の受験者を見る限りそんなこと考えていない人多そう……
今までの試験内容からも完全に実力主義だったし……
考えれば考えるほど今自分がやっている事が無意味に感じて
本を閉じて何となく首についている綺麗な羽のついているネックレスを首から外し手に取った
どこから眺めても美しいこの羽のネックレスは、私が物心着いた頃から家にあった
小さい頃の記憶は全くと言っていいほど覚えてはいないが
この羽がとても大切な物なんだっていうのは何故かよくわかっている
不思議な感じだ
暫く眺めていると
『406番A様。面接室に来て下さい』
あっという間に私の番になってしまった
私は急いで立ち上がり、本を元の棚に戻すと
駆け足で図書室から立ち去った
机には綺麗な羽がついているネックレスが置きっぱなしになっていた
・
私は面接も終わりほっと一息ついていた
それにしても今一番気になっている受験者と戦いたくない受験者を聞かれるとは思っていなかった
まぁどっちもキルアって答えたんだけどね
長い廊下を歩いていると丁度キルアと出くわした
「おっ、Aじゃん。もう終わったの？」
キルアは軽く手を挙げてこっちに歩いてきた
「うん。思ってたよりも早く終わったから」
私も笑顔で近づくとキルアは何かに気づいたように私を見る
私は訳が分からずその場に立ち止まっていると
「お前、首につけてたやつ無くなってね？」
私はハッとして首元を見ると
確かに羽のネックレスがない
どこで落としたのか検討もつかず
急いで辺りを見回してみるがそれっぽいものは落ちていなかった
落ち着いて考えようと深呼吸をする
「あっ！ 図書室！」
図書室でネックレスを首から外した事を思い出した
おそらく図書室のどこかにあるのだろう
「大切な物ならちゃんと持ってろよな！ ほら行くぞ」
キルアはそう言って私の手を握って図書室に向かった
私は不安な気持ちを隠しきれず
ぎゅっとキルアの手を少し強く握った
図書室に着いて机の上や椅子の下
本棚などを探してみるが
ネックレスはどこを探しても見つからなかった
その後落とし物センターのような所に行って聞いてみたが
ネックレスは届いていなかった
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名無し - もっと作ってほしいです！続編見たい… (2023年2月20日 20時) (
レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2019年2月24日 20時
