第8試合 ページ23
「できないねぇ。何故ならお前は友達より今この場で、俺を倒せるか倒せないかの方が大事だから」
キルアはハッとしてイルミを見る
「そして、お前の中でもう答えは出ている。俺の力では兄貴は倒せないと」
イルミの手がキルアにゆっくりとのびていく
それと同時にキルアの呼吸が段々と乱れてきた
「勝ち目の無い敵とは戦うな。俺が口を酸っぱくして教えたよね？」
耐えきれなくなったのかキルアは足を引いたが
「動くな」
キルアの体がビクッと揺れた
「少しでも動いたら、戦闘開始の合図とみなす。同じく、俺とお前の体が触れた瞬間から戦闘開始とする。止める方法は一つだけ、わかるな？」
そう言ってる間にもイルミの手はキルアに近付いていく
「だが忘れるな。お前と俺が戦わなければ大事なゴンとAが大変な事になるよ？」
「やっちまえキルア！ どっちにしろ、お前ら全員助けてやる！ そいつは何があっても俺達が止める！ お前のやりたいようにしろ！」
レオリオが声をでかくして言った
イルミの手はもうあと数センチでキルアに触れてしまう
キルアはゆっくりと下を向いた
「…………参った、俺の……負けだよ」
会場内が数秒静まりかえった
「あぁ良かった。これで戦闘解除だね」
イルミはパンと両手を合わしてにっこりと笑った
「ハッハッハ、嘘だよキル。ゴンを殺してAを幽閉するなんて嘘さ、お前をちょっと試して見たんだよ。……でもこれでハッキリした」
イルミはキルアの頭にポンと手を乗せた
「お前に友達を作る資格は無い。必要も無い」
キルアの目には
もう何も映していないように見えた
「今までどうり、俺や親父の言うことを聞いて、ただ仕事をこなしていればそれでいい。ハンター試験も、必要な時期が来れば俺が支持する。今は必要ない」
こうして、第7試合は幕を閉じた
キルアはゆっくりとこっちに戻ってくる
レオリオとクラピカもこっちに駆け寄ってきた
「おいキルア！ 大丈夫か？」
真っ先に声をかけたのはレオリオだった
しかしキルアは返事もせず、まるでもぬけの殻のように
なんの反応もせずにただ俯いていた
続いてクラピカ、私も懸命に話しかけてみたが
一切反応を示してはくれなかった
その後ボドロが回復し
第8試合が始まろうとしていた
「始め！」
審判が第8試合開始の合図をすると
いつの間にか隣にいたはずのキルアがいなくなっていて
目の前には、倒れたボドロと
手を真っ赤に濡らしたキルアが立っていた
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名無し - もっと作ってほしいです！続編見たい… (2023年2月20日 20時) (
レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2019年2月24日 20時
