幻の卵 ページ46
＿＿ミシミシミシ＿＿
「切れるぜ！」
レオリオは思わず叫んだ
糸はもう何秒かでちぎれてしまう
しかしゴンは目をつぶってときを待つ
…………そして
「今だ！」
そう叫んで糸を離す
キルアも糸を離して私の手をグイッと引っ張り
ほぼ抱きしめるような形で下に落ちていく
なんだか胸がドキドキして破裂してしまいそうな感覚に陥る
これは落ちていることによる不安感によるものなのだろうか
それとも…………
考えている暇もなく卵はすぐ近くにあった
それをギリギリのところでとり
キルアに抱かれたまま落ちていった
卵をとってから数秒後
突然下から突風が吹いた
それに押されて私達は上に上がっていく
実際に体感するとなんだか奇妙な感じだった
「おっほっほっほっほ」
ネテロ会長はその光景を見て思わず笑っていた
「残りは？」
メンチがまだクモワシの卵をとりに行ってない受験者達を見ると
皆顔を伏せていた
「ギブアップみたいね」
「辞めるのも勇気じゃて」
・
グツグツと沸騰したお湯の中には
大量のクモワシの卵があった
少ししたら、良い具合になってきて
それをお湯からだして少し冷やして
殻をむき一口食べてみた
「お、おいしい！」
無意識に私の口からはそんな言葉がこぼれ出ていた
「まさに、幻の卵だ」
クラピカも絶賛していて
レオリオもキルアも幸せそうにガッついていた
そんな光景をぼーっと突っ立って見ているトーどーに
ゴンは近づいて行って
「ねぇ、トードーさん」
「あぁ」
「よかったら、食べてみない？」
そう言ってゴンは自分のクモワシの卵をトーどーに差し出した
トードーはそれを受け取り一口食べる
「……うめぇ」
どこか驚いたようにトードーは呟いた
「美味しいものを発見した時の喜び、少しは味わってくれたかしら？ こちとら、これに命かけてんのよねぇ」
そう言いながらメンチはトードーの元へと歩いた
「今年は完敗だ。また来年、出直してきます！」
最初とは打って変わって
トードーはメンチに深く頭を下げた
その光景を見ると
なんだか微笑ましい気分になっていると
「もーらい」
キルアが私の卵を大口で食べた
「あっ！ ちょっ！ キルア！」
私が怒ってキルアを追いかけまわしていると
「ははっ」
クラピカとレオリオがこっちを見ながら微笑ましそうに笑っていた
なんだか恥ずかしくなり
「も、もう！ キルアのせいだからね！」
と言ってまたキルアを追いかけまわした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね！応援してます！ (2018年1月25日 22時) (
レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます！コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます(￣^￣) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです！ (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Skin | 作成日時：2018年1月14日 16時
