顎クイ Ki ページ32
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並んで座る、
2人掛けの小さいソファ。
「んー！」
「お」
珍しくメンバー出演のドラマを２人で見ていると、
突然のキスシーンに、
私もみっくんもアイスを食べる手が止まる。
「ちょっと！今のヤバくない？」
それはいわゆる、
今流行りのアゴくいってやつ。
「やばい？」
「うんヤバいかなりときめいた」
「へぇ」
テンションのあがる私とは対照的に、
みっくんはつまんなそうにテレビを
見ながらアイスを運ぶ手をまた動かし出した。
「ねー、みっくんもやって！」
「は？」
「アゴくい」
「………」
シラっとした顔で私を見たあと、
ぷいっと知らん顔して
美味しそうにアイスを食べてるみっくん。
「ねー、私もあれされたい！」
「このアイスうま」
この人、聞いちゃいないな。
どうやらやってくれそうにないから、
こっちの甘〜いチョコアイスと交換しよっか？
なんて言ってみっくんのアイスを取ろうと
したら観念したかのように私の方を
向いてくれて。
でも期待したのも、束の間。
「…むぐっ！！」
ほっぺたらへんを片手で掴んで、
上を向かされてキスされた。
「はい、これでオッケー」
にこっと悪い顔で笑うみっくん。
「……こんなんじゃない」
アゴくいってか、
ほっぺむぎゅ？
私、絶対ブサイクになってたうえに
だいぶ顔持ってかれて首折れそうでしたけど。
「ふははっ」
なんとも憎たらしい顔で笑って、
んじゃ、そろそろ帰んないと
なんてゴソゴソと帰る準備をし出すみっくん。
あんなキスされたかったけど、
まぁ仕方ない。
「忘れ物ないー？」
「ん」
玄関までお見送りして、
しゃがんで靴を履くみっくんを見守る。
「てか待ってアイスついてる最悪」
そんななか、
ふと自分の着てたTシャツに
アイスがついてることに気付いて
それをみてたら、
靴を履いて立ち上がったみっくんの手が、
ふいに、そっとアゴに触れた。
「……！！」
私の視線はTシャツから
みっくんへと優しくうつされて、
「……首いてぇ」
私に合わせて屈んでキスしたみっくんは、
気だるそうに首をさすった。
いきなりとかずるい、ドキドキしすぎて
しんじゃうかもしれない！！！
みっくんside
(ってか藤ヶ谷のキスシーンにときめいてんじゃねーよ！！！)
(しばらく、Aと藤ヶ谷会わすのやめとこっ)
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作者名：のりんご | 作成日時：2019年2月14日 22時
