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棚ぼた Ki  ページ21



宏光side






「うぁぁぁ…いる…いるっ!!ギャアアアアア!!」





俺の腕にしがみついてる彼女は

さっきからずっとテレビを見て叫び散らしてる。






「ハァ…苦手なんだから見なきゃいいのに…」



「うぅうぅぅ…だって気になるじゃん!」





夏になるとテレビでよくやる心霊番組。



それを真顔で見る俺と

始まって10分で涙目のA。





「うわっ…や、無理…ギャアアアア!!」




「まじうるさい。」





とか、口では言ってるけど



普段人にベタベタしたがらないAが

めちゃくちゃ俺に密着しているこの状況はちょっと嬉しかったりする。





胸とかすげぇ当たってるし。

おまけに滅多に泣かないこいつの目が潤んでる。






この状況で理性保ってる俺の方が怖ぇよ。






すると、テレビが一旦CMを挟んだ。



ふと、
トイレに行きたくなった俺はソファから立ち上がる




その瞬間、




思いっきり腕を引っ張られた。






「みっくん!どこ行くの!?」






横を見下ろすと、

俺の腕を両手で掴んで上目遣いのA。




一瞬、心臓がうるさく高鳴ったが






「トイレ。」




なんとか平静を装った。






「みっくんは私を1人にするの?!」






ものすごい剣幕で怒られる俺。


トイレ行くだけなのに。






「ふざけんなトイレぐらい行かせろ!」






そう言って、

Aの腕を振りほどきトイレまで走る。




ひろみつぅぅぅ!と今にも泣きそうな顔で
叫ぶAは

俺の悪戯心を掻き立てるには充分すぎて。



リビングを出る瞬間に、







「リビングって幽霊集まりやすいって知ってた?」







そう言い残して

トイレまでダッシュして鍵をかけた。



今、自分はめちゃくちゃ楽しそうな顔を
してるはずだ。

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作者名:のりんご | 作成日時:2019年2月14日 22時

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