ただただ大好きだっ！ (ページ11)

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そんな事を考えている間に、

気づけばとしくんの手をギュッと握っていた。

「A？」

キッカケ…

そして私は、迷わず

としくんの手を、自分の胸に触れさせる。

緊張…なのか、なんなのか

自分の手が少しだけ震えてる。

としくんの顔が見れない。

胸に触れたままのとしくんの手も、

微動だにしない。

テレビの音しか聞こえないこの部屋。

しばしの静寂の後、

としくんがソファの上から降りて

私のすぐ隣に移動したかと思うと、

胸にあった手が、

私の手をすり抜けて頭に乗っけられた。

「A、ほんとにどうした？」

下を向く私を覗き見るとしくんは、

本当に心配そうな顔。

頭に置かれてる優しい手が底無しの安心感をくれる。

「……男の人って普通、シたいって…思うんじゃないの？
だ、だから……私の身体、興味ない…のかなって。」

言うつもりなんかなかったのに、

口が勝手に動き出した。

男の人に触られることが得意じゃないってこと以外は、

すべてボロボロと話してしまった。

私の話を黙って聞いていたとしくんは、

深くため息をつく。

そして、私の頬を両手で包み込んで

ムリヤリ目を合わせられた。

「ヤんなかったら愛してないってことになるの？
…ちがうでしょ？。」

思わず、目を見張る。

「…安心して。Aのこと愛してるから。」

Aが引いちゃうくらいな！って、

子供みたいに笑うとしくんを見て呆気にとられていると

優しく、

包み込むように抱き締められた。

「そういうのは、Aの準備がほんとに出来てからでいい。」

耳元で響く優しい声から、

顔を見なくてもいつもの優しい笑顔の

としくんだと想像出来て、心の底から

幸せを感じられた。