私の仕事は声優業【下野 紘】

２８話目 ページ34

「ありがとっ…私、先寝るね」

紘「ん、おやすみ」

チュッと額にキスを落とされ、頭を撫でると私を寝室に見送った

「あのまま居たら口滑らせそうだったぁ…！
(なんで言っちゃダメなんだろ…？)」

その疑問が頭に浮かび、急いで立川さんにメールを送ろうと携帯を開いた

すると、先に欲しかった答えが

『アニメの続編報告は、ライブで発表する予定。

那月にはキャストにも内緒でゲスト出演とOPを歌って欲しいみたいよ。

鈴村さんには伝えてあるから、他のキャストには漏らさないように。』

「…まじか！！！！(本日二回目)」

ら、ライブに!?…で、出れるの!?あの素晴らしいステージに!?


凄い…こんな奇跡もう二度とない…

やれるだけのことを、やらなきゃ

ーーーーーー

製作陣と監督、そして鈴村さんと顔合わせの日

鈴「まさか那月に歌ってもらえるとわなぁ」

「私も驚きと嬉しさで倒れそうです…」

鈴「期待しとるで？」

「ちょ、心臓出ますよ…？」

鈴「大丈夫やって！那月の曲、俺好きなんだから」


ライブが行われるのは半年後の夏
(時系列がグチャグチャなのは気にしないで下さい)


「よし。」

家に帰り、ノートを開く
思いついた言葉と、聞いたストーリーを思い浮かべイメージしていく

「〜♪〜♪〜♪」

紘「新曲？」

「ひ、紘さんっ…あ、うん！」

紘「へぇ〜…今までとテイスト違うんだ」

「楽しみにしててね」

紘「できたら聞かせてよ」

「勿論！」



それから私は、部屋にこもり仕事以外で外へ出ることが少なくなった

そして、一ヶ月後


「で、できた…！」


12枚目となるsingle曲

作詞作曲 森崎那月 『美しき華の希望』


それを製作スタッフに送ると、プツンと糸が切れたように倒れ込んだ

次に目を覚ました時には、病院のベットの上だった



紘「那月！…はァ…」

「あれ…」

紘「栄養と睡眠不足だって…心配かけんなよ」

「ごめんなさい…」

シュンっと眉を下げ、布団を口元まで引っ張る

紘「曲、できたんだね。お疲れさま」

「へ…」

紘「あー…ごめん。見ちゃった」

何がゴメンなのか。私は回らない頭をフル回転させる

紘「立川さんに聞いたよ。ライブでやるんだってね

大丈夫。他の人には言わないから」

「…どうだった…あれ。」

紘「んー…俺から言わせると


『すっげぇーいい曲！ワクワクした！』」

「翔ちゃんだぁ…っ」

紘「大好きなうたプリでしょ？成功させよ(ﾆｺｯ」

「っ、うん…っ！」

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