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お見合い48 ページ48

A『……助かるかもしれないじゃん』




兄『助からない。鬼はずっと鬼のままだ』




A『頑張れば、いつかは……』




兄『A、お願いだ。頼む。

もう、限界なんだ。腹が減って仕方が無い』




A『っ……』





お兄ちゃんは苦しそうに息をする。


よだれが玄関に垂れた。





兄『A、お前しか俺を救えないんだ。

頼む。お願いだ……!』





お兄ちゃんの言葉に私は俯く。



お兄ちゃんを殺したくない。


でも、お兄ちゃんを人殺しにしたくもない。





A『ごめんなさい…ごめんなさい……』




兄『謝ることはない。むしろ、ありがとう』





私はそう言うと、手に力を込めた。



プツリ、と皮膚が切れる。

お兄ちゃんの顔が苦痛で歪んだ。



お兄ちゃんは力を込め、さらに刃を首に突きつけた。





A『い、いや……嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!』





……お兄ちゃんの首の断面図は、とても酷いものだった。


私の手は震えていたから、ぐっちゃぐちゃに切れていた。



楽に死ねなくて、どれだけ苦しかっただろうか。





兄『ごめんな…一緒、いれ……なくて。


羽織……Aにあげ、る…から……。



俺の…こと、忘れ……ないで。

Aが、忘れな、け、ば……それ、で…幸せ、だ……』




A『お兄ちゃん……お兄ちゃん……。

忘れないから……っ、ずっと、ずっと……っ!


お兄ちゃんは、私の最高のお兄ちゃんだよ……!!』





私の言葉にお兄ちゃんは「そうか」と微笑む。



そして……塵になって消えていった。

残ったのは、お兄ちゃん着物だけだった。




私は泣いた。


その着物を抱きしめて。



両親が帰るまで泣き続けた。




帰ってきた両親が全てを察し、

お兄ちゃんは『病死』ということになった。





A『お父さん、私は強くなりたいです。

鬼を……鬼を、救いたいんです!』





それから、私は父の紹介で出会った雨の呼吸の使い手に弟子入りし、

三年間修行をして入隊選抜に向かった。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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