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「…なら、意地でも生きて戻って来なきゃだね。絶対死んでなんかやらない!次は動物園だからね?ウサギとかヒヨコとか抱っこして、パンダとかカピバラとか可愛い子いっぱい見て、帰りにはまたあの店でお団子食べるの。今更無しなんて言わせないんだから!」
「上等でィ。てめーも途中で疲れたとか言うんじゃねーぜ?そこら辺でへばったら置き去りにしてやらァ」
「あいっかわらずSだなぁ総悟は…置いてかれないように頑張んなきゃ!」
シリアスな空気はどこへやら。
気が付けば俺らはいつも通り笑い合ってた。
やっぱAに泣きっツラは似合わねェ。
こいつにはいつだって、太陽みてェに明るい笑顔でいて欲しい。
「そういえば総悟、ネックレス付けてくれた後何言いかけたの?」
「……てめーが生きて戻って来た時に教えてやらァ」
「えーッ!?何それすっごい気になるじゃん!忘れないでよね、絶対教えてもらうから!!」
「へィへィ。わーったから、とりあえずそろそろ休め。流石に疲れたろ」
「ん、そうする…手術に備えて、体力付けなきゃね」
そーいや抱き合ったままだったのを思い出して、Aの体をベッドに寝かせてやる。
どさマギでとんでもねーことしてたな、なんて今更ながら恥ずかしさが込み上げて来た。
顔赤くなったりしてねーだろうな?
くそッ。
「ねー、総悟。1個お願い聞いてくれないかな?」
「あァ?何でィ、改まって」
必死こいて心を落ち着かせようとしてる時に、珍しく甘えるような感じの声色で言うモンだから再び理性が揺らぎかける。
マジで落ち着け俺、平常心だ平常心。
「あのねー…」
Aの口から告げられたのは、更に俺の理性をぶっ壊しかねないとんでも要求だった。
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年12月4日 22時