31個 ページ32
「げッ……」
「人の顔見るなり随分嫌そうな顔してんじゃねーか、総悟」
「そりゃ朝っぱらから土方さんのツラ見て良い気する輩は居やせんぜ。自分の人相の悪さいい加減自覚したらどうですかィ?」
「てめーは口の悪さを自覚しろ」
今日もAんとこ行こうとしたら、運の悪ィことに土方と鉢合わせになっちまった。
さて、どーやって撒いたモンか…
「ハァ…総悟、お前最近どこでサボってやがるんだ?町中どんだけ探しても全然見つかりやしねェ。破壊活動がねーのは良いが、最近のサボりは度が過ぎてる。いい加減にしろよてめェ」
「嫌だなァ土方さん、俺ァちゃんと俺の職務を全うしてますぜ?俺の姿見ねーからって、端からサボりって決めつけんなァやめてくだせェ」
「事実サボってんだろーが!!ったく…お前今日内勤だろ、部屋に溜まってる書類全部片付けて来い。全部終わらすまで外出禁止だ」
「……死ね土方」
「何とでも言え」
「死ね土方死ね土方死ね土方死ね土方死ね…」
「何度でも言えとは言ってねェ」
---------------------------------------
結局夜中まで仕事は終わらず、この日はAんとこに行けなかった。
別に必ず行く義務があるわけじゃねェが、毎日行ってたからか一日Aに会わねーだけでも変に落ち着かない。
連絡取ろうにも、あいつ携帯持ってねーし。
今まで連絡取るような相手も居なかったし、そもそも病院じゃ携帯使うこと好ましくねェから持ってねーんだと。
結局病院に行くことしか、俺とあいつを繋ぐ手段はねェんだ。
明日は何が何でも、Aんとこ行ってやろう。
そう心に決めて、愛用のアイマスクを付けさっさと眠りに就いた。
あいつに会えねェ夜が、少しでも早く終わるように…。
62人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年12月4日 22時