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「余計な邪魔入っちまったが、とりあえず次に……どーした、お前」
気を取り直して次のアトラクションに行こうと声をかけるが、何故かAは俯いたままで動こうとしねェ。
さっきまであんな元気に旦那に詰め寄ってたくせに、どーしたんだこいつ。
「…いや、何かさ…ゴメンね?総悟、私なんか連れてた所為で嫌な思いしちゃったみたいで…私が遊園地行きたいとか言わなかったら、こんなことになんなかったのになーって…」
…何でィ、こいつ。
んなこと気にしてたのかよ。
神経太ェのか細ェのかわかんねーな。
「あのなァ、んなモン一々気にしてんじゃねーや。てめーが俺のことどういう風に見てっかは知らねーが、俺ァ
俯いたこいつの顎を指で掴んで、強引に上を向かせる。
始めこそ困ったような、戸惑ったようなツラしてたAだが、すぐにいつものあの笑顔が戻ってきた。
「ありがとね、総悟!今日ついて来てくれたのが総悟で、ホント良かったよ!」
花の咲きそうな笑顔でそんなことを言うこいつを、この場で抱きしめちまいたい衝動に駆られる。
思わず飛び出しそうになる手を理性総動員で必死に抑え込んで、バレねェようにこっそり溜め息をついた。
…これは脈アリっつーことで良いのかねィ。
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年12月4日 22時