【銀魂】新居、ぶっ壊されました。【沖田総悟】

爆音10発 ページ10

「…さっきまで散々色々言ってたくせに、どういう心境の変化よ」


謝られたのだから素直に受け入れられれば良いんだけど、生憎と私はそこまで綺麗な心は持っていなくて。
此処までガラリと態度を改められたら、逆に何かあるんじゃないかと勘繰ってしまう。


「…アンタの大事なモン奪って、泣かせちまったから」

「……は…」


気まずそうに口に出された言葉(それ)は、悪意なんて微塵も感じられないモノ。
目の前に居るのは本当に人の家をボロ家呼ばわりしたのと同じ男なのだろうか。
何だろう、罪悪感なんて感じる必要ない筈なのに、疑った自分が物凄く醜く思えてくる。


「あ…えっと、その…」


何か言わなくちゃ。
そう思っているのに言葉が出て来ない。
返すべき言葉がわからない。


…ポタリ。
ん?ポタリ?


「ウォオオオオオオ!!総悟ちゃんと言えるじゃねーか!!お父さんは嬉しいぞォオオ!!」

「俺のとーちゃんはこんなゴリってませんぜ近藤さん」

「え、ちょっと何降ってきてんのこれ!?」


パニクった思考でどうにか言葉を捻り出そうとしていたら、頭上から何やら水っぽいものが滾々と降り注いできた。
何これ雨漏り?病院なのに!?


「近藤さんの目と鼻から流れる心の汗でィ」

「それただの涙と鼻水だよね!?汚ッ!!マジやめて!?」


ツッコミ入れてる間も延々降り続くそれを避ける術は、重傷で身動き取れない私にある筈もなく。

ビショビショになって大騒ぎしていたところに駆け付けた看護師さん達に近藤さんが滅茶苦茶怒られたのは言うまでもない。
私がもう1回処置室送りになったのも、これまた言うまでもない。

爆音11発〜Side Okita〜→←爆音9発

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す