受け入れられた少女 ページ9
「Aちゃん最近、よく笑うようになったなぁ。そうは思わないか?総悟」
「あー…確かに来たばっかの頃に比べりゃ、人間味は増したよーな気もしますけど。そんなに笑ってますかねィ?」
「笑ってるさ!総悟と一緒に居る時は特にな」
そう言うと近藤さんは、手に持ったコップに入ってた酒をグイッと煽った。
今日は近藤さんが突発的に企画した宴会だ。
俺らの視線の先には、酒飲み野郎共の間を忙しなく駆け回るAの姿がある。
酒のアテを補充したり、コップがカラになった奴に酌して回ったり。
野郎共もAの酌を受けては嬉しそうに笑ってる。
まさかこんな光景を見られる日が来るたァ、思ってもみなかった。
この間の一件の後、近藤さんは隊士達を諭してくれた。
Aがずっと俺達を護ってくれてた、助けてくれてたって事実を語って、Aがもう立派な真選組の一員であることを示してくれたのだ。
その結果、
Aを遠巻きにしてた連中も、今じゃ酒注いでもらうのを望んで我先にと声をかけてる。
調子の良い連中だ。
ま、Aが楽しいんなら別に構わねーが。
Aが受け入れられるきっかけを作ってくれた近藤さんにはいくら感謝してもし足りねェ。
これからもずっとこの人について行こうと再び心に決める。
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時