今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:18,459 hit
小|中|大
* ページ31
「ほれ、見えるかィ」
Aが新しい"A"になって、何度目かの満月。
壊れて半分になっちまったあいつの核は普段大事にしまってあるが、満月の夜だけはこうして外に出して月光を浴びせてやってる。
あいつが好きだった、満月の光を。
「それは…壊れた"月読"の核、ですね」
「あぁ…俺の大事な宝物でィ」
満月の光を浴びせると、真っ赤な核は光を跳ね返して、俺の手の中でキラキラと輝いた。
そーいやあいつの髪も、月の光を浴びる度にキラキラ輝いてたっけ。
あの幻想的な光景を思い出して、無意識に笑みが零れる。
そんな俺に対し何を思ったのか、"A"は両手で俺の手を…その手の中にあるあいつの核をそっと包み込んだ。
「…"A"?」
「とても暖かい…きっとこれが、"心"というものなのでしょう。からくりの"私"にご主人様が…総悟様が与えてくださった、かけがえのない大切なモノ…」
「……!A、お前今…"ご主人様"って…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
66人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時