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それは再会か、新たな出逢いか ページ27
「核を新しい物に取り換え、穴が開いた腹部を修復した。これが取り出した核だ、良ければ持って行きなさい」
「…ありがとうございやす」
差し出された半分に割れた核を、これ以上壊れねーようにそっと懐にしまう。
もう二度と使われることのねーそれも、俺にとっちゃ大事なAの一部だ。
廃棄せずに取っといてくれた中田さんに、心ん中でもう一度礼を告げる。
「さぁ、起きるんだ"A"。君を愛してくれる人が、待っているよ」
中田さんが声をかけると、"A"の目がゆっくり開かれる。
何度名前を呼んでも開くことの無かった鮮緑の目。
たった数日見なかっただけなのに、それが酷く懐かしく感じた。
「対人用絡繰戦闘機"月読"、個体名"A"。起動完了しました」
「…おはよ、"A"」
出逢ったばかりの頃と同じ、機械的で淡々とした声。
それでも目を覚ましてくれたことが、声が聞けたことが嬉しくて。
頭で考えるよりも先に、口から自然と言葉が出てきた。
からくり特有の冷たさを持った手を取って告げる。
「また俺と、一緒に生きてくだせェ」
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作者名：影咲 遥 | 作成日時：2019年12月2日 12時
