存在しない"モノ" ページ32
「はー、攘夷志士の屋敷からねェ…また随分な拾い物したじゃねーの総一郎くんよォ」
「旦那、総悟です。強ェしなかなか便利なんですよ、こいつ。俺の命令は何でも聞く優秀な
何となくノリで一緒に団子食う羽目になった俺は、話の流れでAのことを説明した。
Aはチャイナとメガネに絡まれてるが、とりあえず放っといてる。
俺以外の命令は一切聞かねーから別に放置しといても問題ねーし。
「自己改造機能なんて持ってんなら、穴だって作れんじゃねーの?」
「発想がキモいです旦那。アンタと一緒にしねーでくだせェよ、俺ァ奴をそーいう目で見ちゃいねーんで」
「ふーん…」
「…何ですかィ?」
興味なさげに返してきた旦那だが、その目は何やら妙にニヤニヤしてて。
…また変なこと考えてやがんなこの人。
「いやー、別に?その割には可愛がってんなーって思ってよォ。あの首輪だって沖田くんがプレゼントしたんだろ?わざわざ小物屋なんか行っちゃってさー」
「……旦那、アンタらいったいいつから俺らのこと見てたんでィ」
何で俺が小物屋であのチョーカー買ってやったこと知ってんだ。
まさかずっと尾けてやがったとか?
「あー、やっぱあの首輪そうだったんだ。前にそこの小物屋で同じやつ売ってんの見たことあったから、もしかしてって思ったんだけど大当たりだったみてーだなァ?」
「……」
どーやら俺は旦那にカマかけられて、それにまんまと引っかかっちまったらしい。
こんなマダオにしてやられるたァ、非常に業腹だ。
「ま、お前があの子のことをどう扱おうと俺の知ったこっちゃねーけどよ。からくりだからって気ィ抜いてたら、色々痛い目見るかもしれねーぜ?からくりにだって感情はあるんだからよォ」
「……あいつにゃ感情なんてねーですよ」
そうだ、そうに決まってる。
からくりに感情なんて存在しねェ、心なんて存在しねェ。
チャイナ達と話して微かに笑ってるあいつを見て、俺は自分にひたすらそう言い聞かせた。
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影咲 遥(プロフ) - mihotanakahijikさん» 応援コメントありがとうございます!何気に今作初コメントでテンションが上がっ…ゲフンゲフン。仕事が忙しい関係で更新が滞ることもありますが、少なくとも2日に1回は更新できるようにしたいと思っております。出来る限り頑張りますので長い目で見守ってやって下さい! (2019年9月27日 22時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
mihotanakahijik(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…これからも頑張ってください! (2019年9月26日 7時) (レス) id: 3371577f77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年9月1日 20時