【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

影9つ ページ38

護衛を始めてから1ヶ月が経った。
俺のやるこたァ何も変わってねーが、ほぼ毎日護衛し続けたおかげでAからの信頼はかなり強固なモンになったんじゃねーかと思う。


隣を歩くAとの距離は精々握りこぶし一つ分あるかどうか。
護衛し始めの頃は普通に友人同士って感じの距離の空き方してたから、此処まで距離が縮まったのは嬉しい限りだ。


「ったく、奴さんも懲りねーな。ほぼ毎日警察が引っ付いてるっつーのに未だにストーカー行為辞めねーたァ」

「気配だけで、何気にまだ姿も見たことないですけどね。ホント、どんな暇人がやってるんだか…」


その暇人はまさに今おめーの隣に居るんだけどな。
…とか思ったけどそれを口に出すわけにもいかず、適当な言葉を返す。


「警察ですらストーカーする時間あるんだ、そこらへんのパンピーなら余裕だろィ」

「あー、そーいえば近藤さんもストーカーなんでしたっけ…相手の女の人マジでドンマイ」

言ってから気付く。
あれこれ墓穴堀ったか。


少しばかり焦ったが、Aはその"警察"＝"近藤さん"だと認識してくれたらしい。
あー良かった。


「…ま、ストーカーっつーのはどんな障害があろうと惚れた女のためなら何でもする生き物だからねィ。時間も手間暇も惜しまねーんだろうよ」

「そういうもんなんですかねー…」


ストーカーの心理は実際にやってみて初めてわかったモンだ。
Aに惚れる前は、姐御をストーキングする近藤さんの心理なんてどんだけ考えたってわからなかった。
…わかって良いモンたァ思わねーが。

影10→←影8つ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す