【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

足音21 ページ22

にしても、沖田さんは嫌じゃないんだろうか。
例え恋人のフリだとしても、私みたいなのと手繋ぎデートするなんて…。


「でも、沖田さんは嫌じゃないんですか?」

「あ?何がでィ」

「私みたいな女っ気皆無の奴と手なんて繋いで、デ…デート、なんて…」


沖田さんは百人に聞けばその全員が"イケメン"と答えるくらいには顔の造形が整ってると思う。
まだ幼さが残る顔立ちではあるけど、この甘いマスクで微笑みかけられれば、大抵の女性はあっさり落ちるんじゃないだろうか。


どんな美人を狙っても確実にモノにできそうなスーパーイケメンなんだから、私みたいなちんちくりんを相手にする必要なんてない筈だ。
…だけど。


「前から言ってんだろィ、おめーと居んなァそれなりに楽しいって。それに、どーでも良い女に恋人のフリ(こんなこと)してやる程俺ァ暇でもなけりゃ優しくもねーよ」


沖田さんから返ってきたのは予想外の言葉。
まさかそんな風に言われるだなんて思ってもみなくて、私の顔はまた熱を帯びていく。
くっそゥ、イケメンってずるい!!


でも、それって…言葉の通りに受け取るなら、もしかして沖田さんは私のことを?

…いや、そんな筈ない。
沖田さんみたいなカッコいい人が私なんかに。


「もー、沖田さんってば…そんなセリフ、気安く口にしてたら勘違いされちゃいま…」


頭を振って顔の熱を冷まし、口を開く。
すると不意に、沖田さんが私の肩に手をかけてその胸の中に私を抱き寄せた。


当然のことながら、いきなりのそんな状況に私の頭は大パニック状態。
折角振り払ったのに、今絶対私の顔真っ赤になってるよ!!


「ちょ、おおお沖田さんッ!!?いいいいったい何を…」

「おいでなすったぜ」

足音22→←足音20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す