人は案外気付かないうちに成長してたりするから侮れない ページ34
「……ん、そーだね」
「え」
Aの口から返ってきたのはまさかの肯定の言葉。
思わず間の抜けた声が出ちまった所為か、Aは僅かにムッとした表情で口を尖らせた。
「自分で言ったくせに、何つー顔してんのそーちゃん」
「や、まさか肯定の返事なんて来るたァ思わねーだろィ。今までのお前考えりゃ」
「…別に。この景色見てたら、ヒトが作るモノも案外悪くないのかなって思えただけ」
機嫌を損ねちまったらしいAは、フイと顔を逸らして再び窓の外へと目を向けた。
けど窓ガラスに映って見えたAの顔はスッキリしたモンで。
「んぎゃ!?ちょ、何いきなり」
「いんや、何でもねーよ」
「……?」
窓の外を向いたままだったAの頭をグシャグシャになるまで撫で回してやる。
あぁ、こいつァもうしっかり前向いて歩けてんじゃねーか。
それが妙に嬉しくて、俺は頂上に着くまでずっとAを腕ん中に閉じ込めて撫で続けてた。
こいつと共に見る景色→←便利さは何かの犠牲の上に成り立っている
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影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時