圧倒的戦力差を覆すには数で攻めるのが一番というが、相手が強すぎると最早関係ない ページ21
「そーちゃんを返せ、クソヤロー」
粛清の時のそれなんざ比じゃねー程に濃密な殺気を垂れ流し、純白の翼に所々返り血の華を咲かせたAはギラついた目で桐谷を見据えていた。
その目に怯んだのか、桐谷は一瞬ビクリと震えるが、俺が人質になってることもあってまだ優位を保ててると思ってんだろう。
すぐにあの胡散臭ェ笑みを浮かべ直して口を開いた。
「来ると思ってたッスよ、A副隊長。でも案外遅かったッスね?日暮れまでって書いたのに、結構ギリギリじゃねーッスか。もうちょい遅かったら沖田隊長、首と胴がおさらばしてましたよ?」
「考える時間与えないようにわざと遅い時間に手紙入れたくせによく言うよ。その上雑魚大量に配置して足止めして、間に合わせる気無いのかと思った」
「ありゃ、バレてましたか。それでも間に合わせたんだから、やっぱ凄いッスねA副隊長は。まさかあの数、全員殺って来たんスか?」
「当然」
「アンタやっぱおっかねーや」
桐谷も桐谷で俺らを陥れるために色々策を巡らせてたらしい。
ヘラヘラ軽薄そうな態度取っちゃいるが、こいつも侮れねェ。
「んじゃ、無駄話はこの辺にして本題に入りましょ。あ、余計なことしようモンならすぐ隊長の首落とすんでそのつもりで」
桐谷の刀が俺の首元に添えられる。
金属特有の冷たさと死がすぐ傍に迫ってる感覚に、冷や汗が一筋頬を伝い落ちた。
死が間近に迫る感覚ってのはいつも感じてるモンだが、普段のそれとは比べ物にならねーくれェに、今の俺は恐怖を感じてる。
俺自身が死ぬことに対してじゃなく、俺の所為でAが死ぬかもしれねーこの状況が何よりも怖ェ。
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影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時