烏合の衆は100人居ようが烏合の衆 ページ8
俺と二人きりの時以外は、頑なに羽を隠し続けてきたA。
そのAが自ら羽を衆目に晒し飛んでいく姿に驚きを隠せねェ。
羽を晒せばAが白鴉であることがバレ、下手すりゃ不特定多数の輩に狙われることになる。
それをAは誰よりも理解している筈なのに。
だが、それでもAは飛んだんだ。
例え自分の身が危ぶまれることになろうとも、俺や近藤さん、真選組を護るために。
無数の敵で埋め尽くされたビルの中と違い、空中には何の障害も存在しねェ。
Aはあっさりとその身を12階、最上階へと辿り着かせた。
空中で作り出したのだろう、先ほどまでは持っていなかった大鎌で窓をぶち割り、ビルの中へと進入。
間を置かず響き渡った爆音が、俺達に事の終わりを告げた。
『"あー、こちらA。砲台破壊完了、残党狩りしてから戻るよどうぞー"』
土方が持ってた無線機に、Aからそんな気の抜けそうな声で報告が入る。
砲撃時刻までの残り時間は僅か1分。
本当にギリギリの状況だった。
もしあの時Aが飛んで行ってくれなかったら、間違いなく間に合わず江戸城はぶち抜かれてたことだろう。
「…土方さん」
「あァ…てめーら、もう時間を気にする必要はねェ!!此処に居る攘夷浪士全員しょっ引くぞ!!」
「「「うォオオオオオオオオオ!!!!」」」
此処に居んのは幾つもの攘夷党が結託しただけの烏合の衆。
時間制限さえ無くなっちまえば、あとはもうこっちのモンだ。
そっからおよそ1時間後。
下手すりゃ真選組が潰されかねなかった大事件は、被害を出すことなく無事に終結した。
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影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時