8-2 ページ48
そんなわけで昼間、刀の手入れついでに刀牙爺さんのところに顔を出した。
ちゃっかり近藤さんの刀まで頼まれちまったんで、それも一緒に持って。
快く引き受けてくれた刀牙爺さんに工房に連れて来てもらって、今は作業の様子を眺めながら待っている。
刀「ところで総悟くんや。まだAちゃんには手を出しておらんのか?」
総「ブッ…!?ちょ、刀牙爺さんいきなり何言ってんでさァ!!」
唐突な質問に、俺は思わず噴き出した。
いきなり何つーこと聞くんだこのスケベジジィ。
刀「そう驚くことでもなかろ?Aちゃんの家に通っとるようじゃし、総悟くんもAちゃんもまだ若いんじゃ。毎晩のようにニャンニャンしとっても不思議ではないじゃろ」
総「俺、盛りのついた猫じゃありやせんぜ刀牙爺さん…」
いや俺だって手ェ出してェのは山々だけども。
オールウェイズでウェルカムだけども。
刀「ふーむ…さてはアレじゃの?穢れを知らんAちゃんを男の欲望で汚したくなくて手を出すに出せん、と」
総「うッ……」
何でわかるんでィこの爺さん。
刀「あとは、そうじゃのう…無理矢理手を出してAちゃんに嫌われたくない、でどうじゃ?」
総「……正解でさァ、全部」
年の功ってやつなのか、この爺さんに隠し事はできねェらしい。
俺が胸に抱えてるモン、全部バレちまってら。
刀「まぁ気持ちはわからんでもないがのぅ…だが例え手を出したとしても、わしにはAちゃんがおぬしを嫌うとは思えんよ。おぬしに対するAちゃんの信頼は、決して浅いモンではなかろ」
沖「…だと、良いんですがねィ……」
Aさんに信頼されてるって自覚が無いわけじゃねェ。
ただ不安なんだ。
下手なことして、折角築き上げてきた今の関係が崩れちまうんじゃねェかって。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
影咲 遥(プロフ) - 腐葉土さん» 初めまして、作者の影咲と申します。お気に入り登録をして頂きありがとうございます!こうして感想を頂けるのも初めてでして、大変嬉しく思っています。これからも頑張って更新していきますので、応援して頂ければ幸いです。コメントを頂き、本当にありがとうございます! (2017年9月19日 1時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
腐葉土(プロフ) - 失礼します。お気に入り登録させて頂きました。文が上手で、見てて楽しいです!作者様のペースで構いませんので、更新頑張って下さい。 (2017年9月18日 22時) (レス) id: a61a5945a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年9月14日 13時