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提灯を左手に持ち、暗い夜道を歩く。
Aさんは今居ねェ。
正確に言うと隣に居ねェだけで、バレねェ程度の距離を保ちつつこっそりついて来てる。
全ては肉吸いを誘き出すための作戦だ。
「…もし…?お侍様、宜しければ火を貸しては頂けないでしょうか…大切な簪を落としてしまったのです」
来た。
目の前に現れたのは、見た目十代くらいの美人な女だ。
確かに綺麗なツラしてるたァ思うが、Aさんの方が軽く千倍は美人だと思う。
まぁモテねェ野郎共が見りゃ、あっさり落ちるんだろうけどな。
Aさん曰く肉吸いとは、ろくに周りも見えねェような暗い道で灯りを持ってると現れるらしい。
火を貸して欲しいと言ってきて、貸してやると手元に灯りのねェ真っ暗な状態で喰らい付かれて肉を吸われる、と。
沖「えェ、構いませんよ。はい、どうぞ……とでもいうと思ったかィこの雌豚が」
差し出した提灯が奴の手に触れそうになった瞬間、"柊"を抜いて峰で思いっきりぶん殴ってやった。
「ぎゃッ!?」
グシャリと鈍い音がして、俺の足元に奴が倒れ込む。
提灯の明かりで照らしてみると、さっきまでの美女はどこへやら。
倒れてんのは骨と皮だけでできた干物みてェな化けモンだった。
沖「残念だったなァ?俺ァそこらの童〇野郎共たァ違うんでねィ。名も知らねェ雌豚に火ィ貸してやるよーな優しさなんざ持ち合わせちゃいねェよ。サディスト舐めんじゃねェ」
ツラをゲシリと踏み付けて、"柊"を頭にグッサリ突き刺してやれば何とも軽い斬り応え。
弱すぎて欠伸出てくらァ。
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影咲 遥(プロフ) - 腐葉土さん» 初めまして、作者の影咲と申します。お気に入り登録をして頂きありがとうございます!こうして感想を頂けるのも初めてでして、大変嬉しく思っています。これからも頑張って更新していきますので、応援して頂ければ幸いです。コメントを頂き、本当にありがとうございます! (2017年9月19日 1時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
腐葉土(プロフ) - 失礼します。お気に入り登録させて頂きました。文が上手で、見てて楽しいです!作者様のペースで構いませんので、更新頑張って下さい。 (2017年9月18日 22時) (レス) id: a61a5945a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年9月14日 13時