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『とりあえず、鬼門壊して帰ろうか。ここの鬼門の原因はさっきのミズチだから、後は瘴気飛ばして出口塞げば良いだけだよ。そっちは私がやるから、総くんはちょっと休んでてね』
そう言うとAさんは、札を手に湖の淵を回り始めた。
やってることはこの前の鳥居と同じなんだろう。
術は霊力無きゃ使えねェって言ってたし、俺にはまだ無理だろうから任せるしかねェ。
今の俺ができることったら、戦うことと鬼門破壊(物理)くらいだ。
沖「…ま、戦闘の負担減らせただけでも上々か」
湖の中心に見覚えのあるひび割れが走った後、Aさんは戻ってきた。
淀んでた空気も今はすっかり綺麗になってる。
鬼門の処理が終わったんだろう。
『お待たせしたね。さて、帰るとしよ…ん?』
Aさんが何かに気付いたのか、さっき処理したばかりの湖に目を向けた。
俺も釣られて湖に視線を移すと、湖の上を動く白い皿みてェなモノが見える。
何だありゃ。
2人して暫く無言で眺めていると、湖の淵まで来た白い皿がプカリと水から浮かび上がった。
皿の下には、緑色した丸っこい顔が。
あり、これってもしかして。
『あら、まぁ…珍しい河童の子供ちゃんじゃないか。フフフ、可愛いねぇ…』
沖「え、河童ってあんな感じなんですかィ?想像してたのとだいぶ違うんですけど…」
やっぱ河童なのか、アレ。
Aさんが湖の中に手ェ突っ込んで、河童(仮)を抱き上げる。
全体的に丸っこい、団子みてェな鮮緑色の体。
背中には体よりも濃い緑の甲羅があって、頭にはさっき湖に浮かんでた白くて丸い皿。
顔には小せェ黄色の嘴が付いてて、目はこれまた小せェのが2つ。
何つーか、デフォルメ化した河童って感じがする。
河童くらいは流石に俺でも知ってるが、まさかこんな可愛らしい感じの見た目してるとは思わなかった。
Aさんは余程河童が可愛いらしく、河童の顔に頬擦りまでして愛でている。
おいコラてめェちょっとそこ代われ。
…そうじゃなくて。
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影咲 遥(プロフ) - 腐葉土さん» 初めまして、作者の影咲と申します。お気に入り登録をして頂きありがとうございます!こうして感想を頂けるのも初めてでして、大変嬉しく思っています。これからも頑張って更新していきますので、応援して頂ければ幸いです。コメントを頂き、本当にありがとうございます! (2017年9月19日 1時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
腐葉土(プロフ) - 失礼します。お気に入り登録させて頂きました。文が上手で、見てて楽しいです!作者様のペースで構いませんので、更新頑張って下さい。 (2017年9月18日 22時) (レス) id: a61a5945a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年9月14日 13時