【銀魂】ドSなあいつは好敵手【沖田総悟】

饅頭1個 ページ26

「汚ェと、思った」

「汚い?何がよ」

「俺自身が」

「はぁ?」


武装警察真選組。
警察という名のもとに正義を振りかざしちゃいるが、その実は刀を手に幕府にとっての不穏分子を始末する人斬りだ。


形だけの正義を掲げて、相手に悪の烙印を押し付けて人を斬る。
そういう意味じゃ、やってるこたァ幕府を憎んで刀を振るう攘夷浪士どもと変わらねェ。

結局俺らはどう転んだって、自分らの正義のために刀を振るう人殺しなのだ。


近藤さんについて来たことを後悔したことはねェ。
けど、それでもこの汚れっちまった目ん玉は…血に濡れたこの両の手は、消えることのねェ罪で酷く汚れてる。


「覚悟はしてきた。生き抜く覚悟も、殺す覚悟も。けど時々…どうしようもなく苦しくなるんでィ」


背負ってきた罪の重さで、斬り殺してきた連中の命の重さで押し潰されそうになる。
真綿で首を絞めるように、じわじわと。


奴らの血で汚れた真っ赤な手が、嬲るように俺を苛んでくる。
それが苦しい。
苦しくて仕方がねェ。


俺の心は逃げてェと、そんな罪の重さから解放されてェと悲鳴を上げる。
だがそれは許されることじゃねェ。


真選組の名を背負った以上、その名を盾に剣を振るった以上。
そうして人を殺してる以上…俺は一生その罪の重さを背負って生きてかなくちゃならねーんだ。

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