【銀魂】ドSなあいつは好敵手【沖田総悟】

お汁粉3杯目 ページ19

「……何か、普通に美味くね?」

「私が煉(ね)るのはお米の粉だけじゃないんだよー」


昼飯として出されたのは、至って普通の天ぷらうどん。
だが食ってみたら、麺がいつも此処で食ってる団子並みにモチモチと柔らけェ。
それでいて程良い弾力があって、そこらのうどん屋で食うよりもずっと美味ェ代物だった。


「ってこたァこれ、手打ちの麺か?」

「そ。市販のうどんじゃどうしても物足りなくってさ、お団子こねる要領で作ってみたのよ。そしたら思いの外うまくいったから、それ以来自分用に作り置きしてるってわけ」


驚いた。
まさか甘味だけじゃなく、うどんまで絶品たァ。

これ普通に売っても良いんじゃねーかとも思うが、そこは根っからの甘味屋であるこいつが認めねーだろう。


「おかわり要求すんのはありかィ?」

「対銀さん用イタズラ甘味の開発協力(ネタ提供)してくれるんなら。あ、味見役って意味じゃないから」

「ノった」


そういうことならまさに俺の得意分野。
何やかんやであの旦那をハメんのは楽しいし、それで美味ェうどん食えるんなら安いモンだ。


「ふっふっふ、沖田ならそう言ってくれると思ったよ」


真っ黒い顔してニタリと笑うAの顔はまさにドSを絵に描いたような様相だ。
いつかこいつの顔を屈辱に染め上げてみてェ。

けど、今はそれよりも。


「今度のやつも期待してんぜ、ドS王女」

「任せといてよ、ドS王子」


こいつがこの後生み出す狂気の産物と、それを口にした時の旦那の反応に思いを馳せる方が楽しそうだ。

俺らの合作が見事旦那の口に入り、未だかつてねー程面白可笑しい反応が返ってきたのはまた別の話。

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