【銀魂】ドSなあいつは好敵手【沖田総悟】

白玉ぜんざい5杯目 ページ14

「んがァアアアアアア!!?」

「「いえーい!」」


口押さえながら長椅子から転げ落ちる旦那を横目に、ハイタッチを交わす俺とA。

いっつもAの仕込み入り甘味を食わされてる旦那を同じように騙すのはそう簡単じゃねェ。
会話で旦那の意識を甘味から逸らしたり、先に食うことで安全性を証明して警戒心を削いだり。
そーいうのが俺の役目だったりするのだ。

仕込みは全部Aがやるから、俺は獲物を罠に追い込む手伝いをするだけで良い。


「ちなみに今日のは何入ってんの?」

「苦瓜(ニガウリ)の擦り下ろし、よもぎと一緒に団子に練り込んだの。味見したけどめっちゃ苦かったよ」

「うわ、食いたくねェ」

「ちなみに中の餡は砂糖じゃなく豆板醤で味付けしてる」

「そりゃあんな風にもなるな」


どーやら今日のは強烈に最悪なイタズラ団子らしい。
良かった、これの対象が俺じゃなくて。


串に残っていた最後の一つを口に含む。
…が。


「……んぎゃああああああッ!!」

「プッ…くくく、あーっはっはっは!!これこれ、やっぱこれだよね〜!こーいう反応見れるからやめらんないのよ!!」

「て、てめェ…!!」


まさかのイタズラは俺にも仕込まれてやがった。
ご丁寧に、最後の一個にだけ周到に。


「イタズラの対象が銀さんだけだなんて私がいつ言ったのよ?まだまだ甘いわ沖田ァ!」


畜生、やられた。
ドS王子と称される俺だが、こいつが相手だと他の奴のように上手くはいかねェ。


俺ともあろう者が、気ィ抜けばこんな風に手玉に取られちまう。
やられたら当然やり返しはするものの、それすら逆に利用されて失敗に終わっちまう時だってあるのだ。


俺に負けずとも劣らないドS王女、それが古賀 Aだ。


「てめェ後で覚えてやがれ…」

「あっはっは、いつでも受けて立つよ!」

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