62章 ページ15
マスターが乗ってきたパトカーの後部座席に寝かされて、運転席に座ったマスターがエンジンをかけてパトを発車させる。
屯所からこの港まではだいぶ遠かっただろうに、こんなところまでわざわざ車飛ばして迎えに来てくれたことが嬉しかった。
「まずは病院だな。流石にそんだけやられてりゃ、ちゃんと治療受けた方良いだろィ」
「…ん、お願いします」
死なない程度に手加減されていたとはいえ、翠狼族の兄上に散々痛め付けられた体は控えめに言ってもボロボロだ。
骨はあちこち折れてるし、内臓にもだいぶキてる。
幾ら翠狼族とはいえ、此処までやられていたら自然治癒にもそれなりに時間がかかる。
今回ばかりは大人しく治療を受けることにしよう。
その方が幾分か回復も早まる筈だ。
「病院着くまで寝てろ。そーすりゃちったァ治りも早く……ッ!?」
「わッ…!?な、何…!!」
突然何かが降ってきたかのようにパトカーの天井がへこみ、ガクンと車体が大きく揺れた。
その原因はすぐにはっきりした。
ベキベキと音を立ててパトカーの天井がこじ開けられ、そこから覗き込んだ顔に戦慄が奔る。
「どこ逃げようとしてんだァ?出来損ない」
「あ、兄ッ…!?」
次の瞬間、パトカーが真っ二つに割れた。
比喩じゃない、文字通り座席の前後を分けるように真ん中から分断されたのだ。
咄嗟にパトカーから飛び出し、どうにか受け身を取りながら道路に転がる。
マスターも同じように飛び出して来た後、分断されたパトカーは少し離れた場所で爆発した。
間一髪だ。
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影咲 遥(プロフ) - 天藍さん» 天藍様、コメントを頂きありがとうございます!あわわわ、この短期間で2周もしてくださったんですか!?ありがとうございますとても嬉しいです。お気に召して頂けたようで何よりです、是非他の作品も読んでやってくださいませ! (2018年4月18日 18時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
天藍(プロフ) - 完結おめでとうございます!これ、すっっっっっっごく好きです!昨日見つけてからもう2周しました!この小説に出てくるキャラも、作者さんも、大好きです! (2018年4月18日 18時) (レス) id: 1e59b8b255 (このIDを非表示/違反報告)
影咲 遥(プロフ) - 夜空さん» 夜空様、神作だなんて恐れ多いですが、そんな風に思って頂けてとても嬉しいです!まさかお兄ちゃんのことも好きになってくださるとは、何と心の広い…きっとどこかで彼も幸せになることでしょう。そんなお話も書けたら良いなぁ…。コメントありがとうございました! (2018年4月16日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 完結、おめでとうございます!!何という神作…。夢主ちゃんのお兄ちゃんも私的には結構好きだな。この作品では敵キャラですけど、彼にも色々あったんでしょうね…。彼も含めて皆、幸せになってくれることを願います。素晴らしい作品をありがとうございました! (2018年4月16日 0時) (レス) id: dc393f385a (このIDを非表示/違反報告)
影咲 遥(プロフ) - 夜空 星月さん» 星月様、顔面崩壊させてしまい申し訳ありません(笑)物語として語られない部分で、きっと沖田君が夢主ちゃんを幸せにしてくれる筈です!…ドSながらに。こういったコメントを頂けると、このお話を書いて本当に良かったなと思えます。コメントありがとうございました! (2018年4月15日 16時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2018年3月30日 12時