6章 ページ8
「だからアンタ、戦えんのかって聞いてんでィ」
え、何その質問。
まさかとは思うが、私の素性がバレたのだろうか。
翠狼族自体はその筋にしか有名ではないし、狼になる一族=翠狼族と結び付けられる人間なんて居ないと思っていたが、認識が甘かったかもしれない。
警戒心が高まり、手負いの身ながら体が自然と臨戦態勢を取った。
頭から狼の耳が生え、爪も鋭く尖って伸びる。
ちなみに毛布で隠れているが、尻尾も生えていたりする。
翠狼族の身体能力は素のままの姿だと人間と大差無いが、狼化することで飛躍的に向上する。
全身を狼化する方が当然高い力を発揮できるが、このように半化け状態でも人型の時と比べればその能力は遥かに上。
狭い場所だし、完全に狼化するのは好ましくない。
万一の場合はこの状態で逃げることにしよう。
「お、耳生えた。ホント面白ェ体してんなアンタ。なァに、別にとって食おうなんざ思っちゃいねーよ。追手蹴散らしたっつってたから、そこそこ戦えんじゃねーかって思っただけでさァ」
あぁ、そういうことか。
それならまぁ、私が戦えることを知っていたのにも納得がいく。
素性がバレたわけじゃないのなら、まだやりようはある。
「……まぁ、それなりに戦えますけど。それが何か?」
「ならアンタ、真選組に来ねーかィ?生憎うちには警察犬っつーのが居なくてねィ。アンタは普通の犬っころと違って喋れるし、アンタが居りゃ事件の捜査も楽になるかもしれねェ。加えてあのでかさの狼だ、傍に置いとくだけでも敵に圧かけられる。そうなりゃ俺らも制圧しやすくなるってモンでィ」
飛び出して来たのはまさかの提案。
話を聞くに、私が居れば色々便利になるとのことだが…その話を受け入れたとして、私に何のメリットがあるというのだろう。
給金でも貰えるのならば、渡りに船というやつだが。
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影咲 遥(プロフ) - 夜空 星月さん» 星月様、初めまして!コメントを頂きありがとうございます。多分シャボン玉よりもグダる可能性大ですが、頑張って更新していきますね!応援ありがとうございました。 (2018年1月27日 22時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 星月(プロフ) - 【シャボン玉に乗せた恋心】のときからファンです!こちらの作品も応援してます!頑張ってください!! (2018年1月27日 22時) (レス) id: 5d15086cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2018年1月27日 21時