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『フフフ、助かったよ総くん。鬼門処理(物理)は私にはできないからねぇ…君が居てくれて良かった良かった』
沖「お役に立てたようで何よりでさァ」
こう言っちゃいるが、ぶっちゃけた話喜んでいいのかどうかすげェ複雑な気分だ。
目の前にはつい今さっき俺がぶった斬った鳥居の柱が転がってる。
折角Aさんの役に立てると思ったら、まさかの(物理)って。
まともな手伝いができんのはいつになることやら。
Aさんにバレねェように、心ん中でこっそり溜め息をついた。
沖「つーか良いんですかィ?社も何もねェとはいえ、鳥居ぶっ壊しちまって…」
『普通なら駄目だけど、ここにはもう神様も何も居ないから。普通、神社って神を祀るためにあるモノなんだけど…ここは社が無くなって、祀られる筈の神様も居なくなってしまった。鳥居だけが変に残ってたから、力場がおかしくなって鬼門の条件が揃ってしまったんだろうねぇ…再び鬼門が開かないようにするなら、ここに神様を置くか鳥居を壊してしまうかのどっちかしかない。けど神様を呼び出すなんて高尚な真似はできないし、祀るための社も祠も無い状態じゃまず無理。だから壊す以外の手段が無かったんだよ』
Aさんは僅かに悲しげな表情を浮かべながら、さっきまで鳥居だった古い柱に触れた。
何となくだが、Aさんもホントはこんな方法取りたくなかったのかもしれねェ。
けど他に方法がねェから、選ばざるを得なかったんだろう。
俺と大して背丈は変わらねェ筈だが、その体が妙に小さく見えた。
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影咲 遥(プロフ) - 愛音さん» 返信したコメが消えるという謎減少…申し訳ないので、もう一度お返ししますね。面白いと言ってくださってありがとうございます!これからも更新を頑張っていきますので、また読んでやってください。コメントありがとうございました! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年8月30日 1時