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『鬼門は自然発生することもあるモノだけど…ここの鬼門、どうにも人工物的な感じがするんだよ。もし誰かがここに鬼門を作ったんだとしたら…』
沖「その誰かが、折角壊したってのにまた鬼門作っちまうかもしれねェと?」
『そういうこと。幾ら壊したって、また作り直されたんじゃ元の木阿弥さね。それに鬼門だってここだけとは限らない。下手したら、江戸中に鬼門を作られる可能性だってある。もしそうなったら江戸が妖怪まみれになってしまうよ。困ったモノだねぇ…』
この町が妖怪まみれになる。
それはつまり、あの大蜘蛛みてェなのが江戸中を這い回るっつーことで…想像するだけでもゾッとする話だ。
沖「鬼門が作られねェようにするこたァできねェんですかィ?」
『難しいなぁ…現実的に考えて、まず無理。鬼門が生まれるには幾つか条件があるんだけど、条件が満たされればそれだけで鬼門ができてしまう。この広い江戸の町全土を、その条件が当てはまらないようにするとなると…うん、あと100年くらいは軽くかかるかな?もしくは江戸全土が焦土になればワンチャンありかも?』
沖「…確かに無理ですねィ、そりゃ…」
Aさんほどの人がそんだけかかるっつーんだから、鬼門ができねェようにするのは相当大変なんだろう。
つかこの人さりげなく恐ろしいこと言いやがった。
だがそうなると、今回の件はなかなか根が深ェ問題になりそうだ。
『とりあえずここはもう鬼門が開かないように処理するけど…総くん、手伝ってもらっていいかい?』
沖「へ?そりゃ構いませんが…俺この手のことに関しちゃてんで素人ですぜ?まだ何も知りやせんし…そんな俺が何か手伝えるんですかィ?」
『寧ろ総くんじゃなきゃ無理じゃないかな?少なくとも、私は無理』
俺にできてAさんにできねェって、いったい俺に何させる気なんですかAさん。
けどAさんの力になれるんならって思うと自然と気合が入った。
『あの鳥居の柱、ぶった斬ってくれるかな?』
沖「……は?」
『少なくともここは鳥居が無くなってしまえば鬼門の条件は満たせなくなりそうだからねぇ…それが一番簡単なんだよ。私の退魔刀じゃ物質は斬れないから、お願いね総くん』
あぁ、成る程そういう…そりゃ確かに、俺しかできねェわな。
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影咲 遥(プロフ) - 愛音さん» 返信したコメが消えるという謎減少…申し訳ないので、もう一度お返ししますね。面白いと言ってくださってありがとうございます！これからも更新を頑張っていきますので、また読んでやってください。コメントありがとうございました！ (2018年1月27日 20時) (
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作者名：影咲 遥 | 作成日時：2017年8月30日 1時
