2-11 ページ33
『はい、おしまい。これでこの場所は大丈夫。えっと、説明した方がいいよね?』
Aさんが刀を鞘に納めながら問う。
勿論だ。
今後Aさんの手助けするためにも、色々聞いておきてェ。
沖「お願いしやす。何かひび割れたみてェに見えたんですが、アレ何やったんですかィ?」
『あ、それ見えたんだ?それなら話は早いね。ここの鳥居は鬼門っていう、いわゆる妖怪の出入り口になってたんだよ。それを壊しただけ』
沖「妖怪の出入り口…」
『ひと昔前と違って、今の世の中は妖怪にとっては生きにくい場所でねぇ…最近は多くの妖怪が生きやすい妖怪の世界に引っ込んじゃってるんだよ。この鬼門っていうのは、人間の世界と妖怪の世界を繋ぐトンネルみたいなものと思えばいいかな。私が今やったのは、そうだねぇ…トンネルの出口を爆破して塞いじゃった、みたいな感じ』
方法まではわかんねェが、理屈は何となく理解できた。
ここに妖怪用の出入り口があって、それをもう使えねェようにぶっ壊した、と。
『勿論こっちの世界に隠れながら生きてる妖怪も沢山居るけどね。そういう子達は最初から人間の世界に居るわけだから、鬼門も何も必要ない。人間が出会うのはだいたいこっちだけど…その子達も基本的に人間に見つからないようにひっそり生きてるから、人間も普通に生きていれば妖怪に出会うことなく一生を終える。これが、人間と妖怪がなかなか出会わない理由かな』
沖「成る程。んで、ここの鬼門を壊したっつーこたァ…もうこっちに妖怪がホイホイ出て来たりはしねェって考えて良いんで?」
『普通ならそうなるんだけどねぇ…』
普通なら。
Aさんの言い方は、まだこれじゃ終わってねェと思ってるような、そんな感じがした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
影咲 遥(プロフ) - 愛音さん» 返信したコメが消えるという謎減少…申し訳ないので、もう一度お返ししますね。面白いと言ってくださってありがとうございます！これからも更新を頑張っていきますので、また読んでやってください。コメントありがとうございました！ (2018年1月27日 20時) (
レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：影咲 遥 | 作成日時：2017年8月30日 1時
