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沖「てか、これは俺の告白にOKの返事くれたっつーことで良いんですかィ?」
『あぁ、やっぱりあれ告白も入ってたんだねぇ…21年生きてきて初めてだったから、自意識過剰かと思ったけれど。間違っていないようで良かったよ』
Aさんはふわりと笑いながら言った。
けどそれ、ちゃんとした返事になってませんぜAさん。
沖「はぐらかさねェで、しっかりした返事くだせェAさん。そりゃ、何年かぶりに会っていきなりこんなこと言われたって困るだけかもしれねェですけど…俺、ずっとアンタのこと…ッ」
不意に俺の唇に当てられた、Aさんの人差し指。
それは俺の言葉を遮るためのもので。
『…幸せ者だねぇ、私は。何年も離れていたのに、その間ずっと想われ続けていたなんてさ。でも、総くんは本当に私なんかで良いのかな?総くんとってもカッコ良くなったし、きっと可愛い子が幾らでも寄って来るよ?私みたいな妖怪ホイホイの変な女じゃなくてさ』
沖「Aさんが良いんですよ、俺ァ。Aさん以外の女なんざ目に入りやせん。けど、無理強いするつもりも無ェんで…もし嫌だってんなら遠慮なくフってくだせェ。そん時は、アンタに惚れてもらえるような男になってから出直すんで」
『フフフ、随分な惚れ込み様だねぇ…覚悟、あると解釈するよ?私の生きる道は、妖怪だらけの鬼の道。そこを一緒に駆けてくれる覚悟が、さ』
Aさんの目がスッと細められ、俺を見据える。
真剣な眼差しは、引き返すなら今だと、そう言ってくれてるかのようだ。
だが端から引き返すつもりなんざねェよ、見くびってもらっちゃ困りまさァ。
沖「無きゃ最初っからこんなこと言いやせんぜ。鬼の道だろうが地獄の道だろうが、Aさんが進むんならどこまでだって一緒に行きまさァ」
『……そこまで言ってくれるなら、文句ないよ。これから宜しくね、総くん』
Aさんはふわりと笑って、俺の手を取りそっと口付けた。
不意打ちで仕掛けられたそれに、俺の顔はまたもや真っ赤になった。
沖「へ!?…Aさん、それ普通男がやるモンじゃねェですかィ?」
『私に普通なんて求めては駄目だよ、総くん』
浮かべられた不敵な笑みを見て思う。
わかっちゃいたが、俺の惚れた女はとんでもねェお人だったようだ。
この人は昔っから何も変わっちゃいねェ。
幼い頃の俺が惚れたAさん、そのままだ。
沖「アンタにはかなわねェや…」
顔の熱が冷めねェままに、俺も笑った。
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影咲 遥(プロフ) - 愛音さん» 返信したコメが消えるという謎減少…申し訳ないので、もう一度お返ししますね。面白いと言ってくださってありがとうございます!これからも更新を頑張っていきますので、また読んでやってください。コメントありがとうございました! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2017年8月30日 1時