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リビングの窓から見える空が白み始めて、朝が近いことに気が付いた。夏の朝は早い。結局夜通しパソコンと向き合ったが思うように捗らず、焦りと少しの情けなさで溜め息が出る。リビングの明かりを消せば、それでも中が鮮明に見えるほど、外は明るくなっていた。何となくベランダに出る。薄い雲が空を覆っていて、陽がまだ射さない夏の朝は涼しかった。眠気に少しだけ侵された頭でぼんやりと外が明るくなっていく様を見ているうちに、携帯のアラームが5時になるのを告げた。
………
……
…
「もしかしたら、今日は帰らないかもしれない。念の為だが、俺が出て行った後はチェーンも掛けておいてくれ」
「……わかった」
オートロックのマンションだし、そんなに気にしなくてもいいのでは?と思ったが、某殺人マンションのことを思い出して口を閉じた。あのマンションもオートロックだったはずだ。
眠い目を擦りながら神谷を見送りに立てば、その様子を見て彼は僅かに眉を顰めた。
「締切が近いなら仕方ないが、昼夜逆転も程々にしておけ」
「……はい」
その言葉にギクリとする。神谷を見送った後はお昼までとりあえず寝るつもりだったのだ。
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美桜(プロフ) - 続きがとても楽しみです!^^* (2023年1月26日 11時) (レス) @page16 id: 3c71fa7893 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 12話に誤字がありました。「操作資料」ではなく、「捜査資料」です。 (2019年9月22日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:依香 | 作成日時:2019年9月15日 3時