【REBORN!】雪上の蝶 Ⅱ (ページ2)

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５１話ページ2

ルッ「ちょっと、スクアーロ…もう少しゆっくり運びなさいよ」

ベル「そーだぜ、病人と女には優しくって言うだろ」

マー「その場合Aはどちらにも当てはまるわけだから、丁重に扱わなくちゃいけないね」

ホテルの入口から歩いてきたスクアーロの背中には
少しだけ膨らんだブランケットがかかっている。

日本に着いてからも治まらない頭痛のせいで起き上がれないAをスクアーロが担いでいるのだ。

小柄な上に軽いAは全くと言っていいほど負担にならない。

だがしかし、それでもスクアーロの表情はどこか苦しそうである。

ベル「Aそんなに重くねーじゃん

なに、疲れたの？」

スク「…違ェ……」

ルッ「男として戦わなきゃいけないものがあるのよね」

スク「ンな"っ、なわけねェだ」
ルッ「しっ」

ルッスーリアの言う通りだ。

嗅ぎ慣れている同じシャンプーの匂いのはずだが、何だか違う匂いのような気がする。

更に、背中にあたる柔らかなソレ。

初心なスクアーロがドキドキするのも無理は無かった。

時折背中で動く手も擽ったい。

.

マー「エントランスで屯(たむろ)してても邪魔なだけだよ。

早く移動しよう」

ルッ「そうね…スクアーロ、今のAちゃんは飴細工だと思って扱いなさいよ！」

静かにゆっくりと首を縦に振る。

ルッ「それと…これがAちゃんのルームキーだから、無くさないようにね」

オレは餓鬼かよ、と声を張り上げそうになったが寸前で押しとどまる。

今、背中には飴細工。

少しでも大きな声を出せばすぐにでも壊れてしまう。

ベル「しししっ、大人しいスクアーロ見てっと何か変な感じ…早く部屋に行こーぜ」

マー「うん、これ以上周りの奴らに見られるのもいい気分じゃないしね。

と言うより、レヴィもボスも行っちゃったし」

ルッ「あら、本当ねぇ～

通りで静かだと思ったわ」

並盛のマフィア御用達の最高級ホテル。

今夜からそこの最上階でヴァリアーの愉快な日々が始まろうとしていたのだった。

ちなみに、最上階とそのすぐ下の階は全てヴァリアーで貸切だ。