第四百二六訓【過去編】 ページ8
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みずは「長い間お世話になりました。」
近藤「いやあのまだ3日しか経ってないけど。全然長い間じゃないけど。あれだけの怪我で3日ってどういう事。」
みずはちゃん強いね。と近藤さんは笑顔でそう言う。もうこの笑顔ともお別れするのは少し残念だな。
近藤「住まいはこの近くかい?良かったら送るよ。」
みずは「、、、。」
あれ、私はどこへ帰るんだろ。今までは松下村塾が私の家みたいなもんで、銀時と小太郎と晋助そして先生が家族だった。
気づいた現実はかなり残酷で。私は自然と嘲笑を浮かべる。
みずは「あはは、無い。ですね。」
近藤「そうか、」
初対面の人に私はなんてこと言ってんだろ。ほら、近藤さんも困っちゃうでしょ。
変な奴とか思われたかな、軽蔑されるのかな。気味悪がられるのかな。
私が謝ろうとした瞬間。先に口を開いたのは近藤さんだった。
近藤「みずはちゃん、ちょっと着いてきてもらってもいいかな。」
そう言って近藤さんが歩いて行ったのはこの近くにあった道場。遠くからでも微かに掛け声が聞こえる。
中に入るとかなり人数がいてみんな一生懸命稽古に励んでいる。
近藤「ここは俺の道場でな。
いろんな奴らがここで稽古してる。
ここにいる奴らは
みんないろんな事情を抱えてる。
親がいねェやつだっているし宿無しもいる。
みずはちゃんは別に変じゃねェ。
そんなみずはちゃんを軽蔑なんてしねェ。
良いじゃねェか。それがみずはちゃんだから。
だからそんな顔で笑うな。
綺麗な顔が勿体ねェよ!」
みずは「!
近藤さんってお世辞上手だったんですね。」
口ではそう言っても
やっぱり嬉しい。
事情がどうであれ彼の道場に集まる彼らは
きっと近藤さんに惚れ込んでここにいるんだろうな。
みずは「近藤さん。」
近藤「ん?何だい。」
みずは「私も稽古に参加して良いですか。」
近藤「出来るんなら勿論大歓迎だ!」
先生と私達の仲間。
それらを全て失ったのは
時代や幕府のせいでは無い。
私の、己の弱さ。
なら、いつか彼らと会うまでに強く。
強くならなくては。
私はふと目があった切れ目の男性を指差す。
みずは「あの人と、一つ試合でも。」
強く、強くなりたい。
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みかん - ナウシカ♪さん» 完結お疲れ様でした!!ただ、ちょっといやかなり寂しいですが…と思ったら続編があったァァァ!!!!よかった!今月一番ホッとしました。 (2018年2月28日 17時) (レス) id: 4389491407 (このIDを非表示/違反報告)
ナウシカ♪(プロフ) - 暁さん» ありがとうございます!!さてさて改めて続編が金魂になりましたね笑まだ金魂の方は終わりそうにないです、、、!!! (2018年2月27日 19時) (レス) id: 043a97a17f (このIDを非表示/違反報告)
ナウシカ♪(プロフ) - さっくぅさん» さてさて終わる終わる詐欺になるのでしょうか、、、!?続編が出来ましたのでこちらもよろしくお願いしますね! (2018年2月27日 19時) (レス) id: 043a97a17f (このIDを非表示/違反報告)
さっくぅ(プロフ) - 本当に終わりですか!?終わる終わる詐欺ですか!?そうであってほしい! (2018年2月27日 7時) (レス) id: 964aa4279e (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - この作品完結!!私はこの小説気に入ってたのですがショックです。 (2018年2月27日 6時) (レス) id: d89e7bb0b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナウシカ♪ | 作成日時:2018年2月6日 22時