悪魔なメイドとふわふわお嬢のおやすみ前の安眠おやつ～寝れないの？～ (ページ13)

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絡繰屋敷はどこへ行くページ13

ー姫サイドー

「……何っ！？ステラ、何、さっきの、音」

びっくりした。何かが外れる大きな音。
クロは大丈夫なの？

嫌な予感がする。
こういう時に限って予想は当たる。

「姫、お下がりください。
––メルフィス姉さん？クロエ？」

返事はない。ステラは迷わず水晶を取り出した。
私はドアに駆け寄ったけど、ステラに止められた。

「それ、何？きらきらしてて美味しそうね」

飛び出た疑問を口にする。私はステラの手を握った。

「メルフィス姉さんとクロエ……派遣メイドの行方を緊急捜査。姉さん達、いるの？いたら、私の願いを聞いて」

水晶へ声が吸い込まれる。何人かの声が聞こえて、ステラは幾分か安心した顔になった。

「…姫、は……私と一緒にいましょう。危ないですからね。」

私は嫌な予感が的中した事を悟った。

そしていきなり体が浮く感覚。ふわふわ。
寝心地が良さそう。

体が重力に去っていくのを感じる。

「キャァァァァァアアアアアアア！！」
「姫、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

私だけ不意に開いたガラスの床の穴から落ちていく。ステラが駆け込む前に、ガラスの床は閉じてしまった。

こうしてわたし達はばらばらになった。

私は、意識を失った………………

…………
ふわふわのうさぎ。甘いショートケーキ。
あったかいココア。さらさらのネグリジェ。
それらが私を囲ってる…気持ちいい。
襲いかかる眠気が、心地よさを増す。

何故か不意に、うさぎに鱗が生えてきた。ショートケーキはサンゴ礁に、ココアは真珠に。ネグリジェは水になって溶けていった。

「…わぁっ！？！？」

そこで目がさめる。私は仰向けに倒れている。

「けっ、ほ…ごほっ、が、はっ」

息苦しくて咳をする。口から水が出てきた。
そのまま咳をして、落ち着いたら周りを見渡した。

ここは

「す、水ですか～…！？！？」

私は、水の中にから突き出るほどのサンゴに引っかかっていた。