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「ここだ。」
車が停められると、そこは人気のない河川敷。
車から降りると、数十メートル離れたところに白い車が停車しているのが見えた。
「降谷さん、もう到着していたのか。」
時計を確認した風見さんと私は小走りでその車の元へ向かった。
降谷さんという人物は一体どんな人なんだろう…。
当然写真などは見てないため全く想像がつかない。
40代くらいのベテラン?
意外と30代だったりして。
そんなことを思いながら車に近付くと、運転席のドアが開いた…
次の瞬間だった___________
『…え…』
「すみません降谷さん、遅くなりました。」
「いや、僕も今着いたところだ。」
一気に身体が石のように動かなくなった。
「紹介します。今日新しく公安部に配属となった雪村です。」
運転席から出てきたのは…
「話は聞いている。
僕はゼロに所属している降谷零だ。よろしく。」
私の大嫌いな金髪男だった___________
…待て待て、なぜ警察官に金髪?なんで、どうして?
そうか、多分…この人はハーフだ。
警察官が、ゼロ所属の人物がわざわざ金髪に染めるわけが無い。
しかし…遺伝的なものであっても
〈金髪 男性〉というレッテルを貼られてる以上私にとって苦手なものは苦手だ…!
それになんだこの人、若すぎではないか?!
さっきの30代だとか40代という予想はどこへ行った…
明らかに20代だろ!
「…おい、雪村、、?」
『……あっ!よ、よろしくお願いします!!』
ふと、風見さんの声で我に返った。
色んな情報が押し寄せてきたせいで、思考が停止しかけてる頭をフル回転させ、今の状況に食らいつく。
目の前には褐色肌の手。
頭を下げて差し出されているその手を握った。
あれ、この人は………
「どうかしたか?」
『………あ、いえ、なんでも、、!』
私の明らかにおかしい挙動に降谷さんに心配そうな目で見られる。
とにかく金髪嫌いだということは悟られないよう、ナチュラルに接しなければ…!
『改めまして雪村Aと申します。
まだまだ未熟ではありますが、精一杯公安警察として任務を遂行してまいります!』
「あぁ、期待しているよ。」
そう言われるが、この人に強い警戒心を抱いてしまっている私は
『頑張ります!』
精一杯の作り笑いを顔に貼り付けた。
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作者名:おと | 作成日時:2022年5月1日 2時