One more time③【赤井秀一】 (ページ27)

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「宮野明美さん…」

…予想は的中だった

やっぱりシュウはAと亡くしてしまった明美さんの間で葛藤していたのね…

「ねぇシュウ、今までストレートに聞いてこなかったけど…」

初めは組織に近づく為、それが目的だったけれど

「あなた明美さんのこと、、」

いつの日からかきっとシュウは…

「…本当に愛してしまった、、そうよね。」

信号待ちの車内にはウィンカーの音だけがチカチカと鳴っていて

煙草を咥えたままのシュウは黙ったまま

「シュウ…？」

軽く目線を下げたシュウが言葉を発するまでの時間は妙に長く感じた

「…それはない、、と言えば嘘になってしまうな…。」

そして、シュウのもの哀しげな眼が私を捉えてそう言った

「そう…じゃあシュウは」

「ん？」

「シュウは明美さんのどこに惹かれたの…？」

ちょっとストレートすぎたかしら…

Aの話では明美さんはAと全く違う性格だと言う

だからこそAは明美さんには敵わない、そう感じているよう

まぁ実際にあの子も会ったことがあるわけじゃないから

本当はどんな人だったのかなんて知る由もない

だからこれをシュウに聞きたかった

「ﾌﾝ…俺もよく分からんよ。気付いた時にはそういう感情があったんだ。感情とは時に恐ろしい。」

このシュウがそんな経験をするなんて、私にとっては意外で

明美さんがそれほどの人だったということなのかもしれない

。